勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版 (文春文庫 ち 9-1)
勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版 (文春文庫 ち 9-1) / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
先日、この千葉さんも出ていた本『欲望会議』が大変面白かったので、その本でも触れられていた本書を読んでみた。「勉強とは、自分を破壊すること」という言葉に嬉しくなってしまう。知りたいテーマに従って本を読んでいると、今までの自分が古くなって、新しい自分が芽生えてきているのがわかる事がある。人間、時間には逆らえず、若返る事もあの日に帰る事もできないが、新しくなる事は何十歳からでもできる。「勉強すると、少しキモくなる」という旨の言葉もある。キモいの大いに結構である。難しい話も多いが、勉強したくなる1冊である。良書。
2021/08/09
はっせー
勉強について考えたい人におすすめしたいほんになっている!勉強。学生時代にはよくやっていたが社会人になるとあまりとれなくなってしまうもの。その勉強について哲学的に分析したのが本書になっている。まず序盤からいい!勉強とは自己破壊である。勉強する前は環境や社会のノリに合わせて行動していた。だが勉強することはそのノリにあわせずに悪ノリしたりノリを疑うことであるとのこと。読んでみると確かにというところとちょっと難しいところが混在しているため再読したい本であった!
2024/03/29
兵士O
この本は根本的にボクと価値観が違う。ボクはこの本の冒頭に出てくる周囲や社会のノリを大切にする人間です。自分自身の勉強の探求より、他人がどんなことが好きか?あるいは今、社会で何が流行っているか、みたいなことに目が行きます。また勉強にしても、例えば絵の練習で美女のヌードをいかに漫画ちっくに描くかなどの具体的な技術を身につけようと思っています。本を読む際も、この本が否定している自分の実感に引きつけて読んでいます。だから「言葉遊び」でテキストに向かうなど言語道断!そういうわけで途中で投げうっちゃったけどごめんね~
2024/05/23
うえぽん
ドゥルーズ&ガタリの哲学とラカン派の精神分析学を背景に、著者自身の勉強・教育経験から勉強のプロセスを構造化・可視化した書。道具的ではなく玩具的な言語使用により言語偏重の人になることが、環境にフィットせず、自由の余地を作り、深く勉強することだとする。保守的状態から、根拠を疑うアイロニーを加えるが、その過剰による決断主義には陥らず、見方を変えるユーモアを通じて比較の中断を行うことによって、勉強を継続させられるとする。実践編もアプリの紹介など、とっつきやすい手法が紹介されており、学び直し世代にも刺さる文章だ。
2024/07/17
ネジ
★★★★★ 新しい概念を自分に入れる方法を普遍的に説明した本。アイロニーやユーモアによって知見を広げるのはなんとなくしていた気がするが、それが過剰になることについては無意識に目を背けていたと思う。深く勉強することのハードルを感じつつも、とりあえずその原理を知ることができたのはよかった。 ①深く勉強するというのはノリが悪くなることである。 ②アイロニー、ユーモア、享楽のこだわりによって勉強は有限化される。 ③新しい概念は無理に自分の知っている概念に落とし込まず、音だけで意識する。
2024/02/05
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