幸せのプチ (文春文庫 し 43-8)
幸せのプチ (文春文庫 し 43-8) / 感想・レビュー
ポップノア♪@読書停滞中
琥珀と呼ばれる東京の下町が舞台の連作短編集。それぞれテイストは全く違うのに、朱川さんお得意の昭和ノスタルジーで読後は優しい気持ちになりました。「キミはもしかして大切な人を亡くした経験があるのかい?」という帯に惹かれて購入しましたが、まさかあの人の言葉だったとは。どの人物も魅力的だけど「お前ら位の歳の子供はバカみたいに幸せでなくっちゃいけないんだよ」と語る〇〇さんが好きでした。野良犬、1本10円の空瓶、コロッケサンド、ブーメラン、夏休みのラジオ体操、あ、そうそうゲームウォッチ。やったわやった。懐かしいなぁ。
2020/12/18
相田うえお
★★★★☆21091【幸せのプチ (朱川 湊人さん)】①主人公の男性は失明免れない病になった彼女を見捨てて去ってしまいます。時は流れ、男性は病魔に冒され余命僅かと知り、ふと若い頃過ごした街を訪ねてみます②野良犬のプチと少年達の温かくて不思議なお話。ゴリラモンスーンっていうデカいおにいさんもいい人③同じ商店街のパン屋の娘と肉屋の娘、ずっと一緒だから気の知れた友達同士なんだろね④夜道で仮面を被ったおじさんに会ったら怖すぎる〜⑤大阪の老舗料亭に職を得た青年と周りの人たちの話。◯面白かった〜。
2021/09/18
Ikutan
なんか、しみじみとよかった。昭和40~50年代の下町、琥珀を舞台にした連作短編。都電が走り、商店街や銭湯での人と人との交流があり、子どもたちはプラモデルに夢中になり、町には野良犬や野良猫が当たり前のように歩いている。そんなのんびりとした町の、ほんのりビターで甘酸っぱい、じんわり心に染みる五つの物語。表題作の『幸せのプチ』に出てくる白い犬が、どの作品にも登場していて、また会えたと嬉しくなりますね。出てくる町の住民が皆優しいので、昭和ノスタルジーに浸りながら、温かな気持ちになれる作品です。
2020/05/23
エドワード
東京都荒川区琥珀。かつて暮らした、都電の走る下町を35年ぶりに訪れる久雄。場面は一気に過去へ遡る。今年は私が社会人になって35年めの春だ。大阪万博からは実に50年。時の経つのは早いね~でも50年前も35年前の風景も私は鮮明に覚えている。商店街のパン屋・肉屋・プラモデル屋、公園で遊ぶ子供、木造アパート、野良犬、純喫茶、コーラの瓶。あの頃を共に生きた友人達と話す時、私は中学生や大学生や新入社員に戻っている。電話はもちろん黒電話、チャンネルは捻るもの!毎回楽しみな朱川湊人さん。懐かしくて頬がゆるみまくる。
2020/05/10
カブ
純喫茶、銭湯、赤い公衆電話、サンダーバードにコロッケパン…どこか昭和の香り漂う5編の連作短編集。懐かしくって、せつなくていつまでも読んでいたい物語たち。朱川湊人氏のお話をいつも楽しみにしている。
2021/05/30
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