KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

僕が殺した人と僕を殺した人 (文春文庫 ひ 27-2)

僕が殺した人と僕を殺した人 (文春文庫 ひ 27-2)

僕が殺した人と僕を殺した人 (文春文庫 ひ 27-2)

作家
東山彰良
出版社
文藝春秋
発売日
2020-05-08
ISBN
9784167914851
amazonで購入する Kindle版を購入する

僕が殺した人と僕を殺した人 (文春文庫 ひ 27-2) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

しんたろー

久々の東山さんは名作との誉れ高い本作…1984年頃の台北を中心に、現在の2015年デトロイトが挿入される構成は「誰が犯人なのか?」というミステリ要素を含みながら、ユン、アガン、ジェイ、中学生三人を中心にした青春&家族ドラマ。陰鬱な家庭事情を抱えた彼らの等身大とも思える日々を当時の台湾と現在の事件に絡めてグイグイ読ませる。80年代は私の青春時代でもあるので懐かしい描写が多いし、ユンたちの言動が我が事のように感じた。所々で文学調になるので、同じ台湾なら『流』の方が読み易いが、彼らの切なく熱い友情が胸に沁みた。

2021/06/07

★Masako★

★★★★東山彰良さん初読み♪2015年冬、アメリカで連続殺人鬼"サックマン”が逮捕された。弁護を担当する事になった「私」は、少年時代を思い出す…1984年頃の台湾。家庭に問題を抱え、傷つき傷つけ合いながら共に過ごした4人の少年、ユン、アガン、ダーダー、ジェイ。雑多な匂いと差別と混沌とした空気の流れる場所で、もがき生きる少年たちが危うくて痛々しい。サックマンは誰なのか?たっぷりと描かれた少年時代に現在を絡ませ、一つに繋がった時の衝撃と切なさ。読了後、装丁の少年たちを眺めながら胸が熱くなり涙がこぼれた。名作!

2021/06/16

あすなろ

彼の中には殺人者がいる。しかも6人も。最後の1人がサックマン。彼は死刑になる。それをしかも望んでいる。でも僕は彼を知っているのだ。1984年の台湾で。私達は当時13歳だった。正直、期待して書店で購入した時抱いた所感より読みにくかった。僕には頭に入りにくかったと思う。しかし、解説の小川洋子氏ではないが、何か頭の中に残る作品であったことは事実。濃厚で蒸し暑く雲が垂れ込めた感のかつての台湾の少年達の危なげな空気感。そして、残りは一気に。サックマンと僕と彼等のかつての共通知のパズルのピースが合い始め、明確な構図へ

2020/11/30

ゆいまある

名作「流」と同じく台北から始まり、お馴染みの人々も出てくるので続編のような気持ちで読み始めた。エピソード多過ぎ、登場人物の属性多過ぎでまどろっこしいが、前半は圧倒的なリズムのお陰で読めた。もう全く受け付けなかったのはデトロイト編。連続殺人犯の動機が曖昧過ぎる。殺人犯は愛すべき人だったとセンチメンタルに言いたいのか。にしては起こした事件が陰惨過ぎてバランスが取れてないんだが。オーウェルの一九八四や、AKIRAのオマージュでもあるようだから(ジェイが金田でユンが鉄雄か)違う読み方もできるのかも。不完全燃焼。

2023/06/24

ずっきん

小川洋子氏の解説めあて。さらに好きなシーンを読み返してたら、けっきょく全部再読してしまった。もう、せつなすぎて、痛い痛い痛い。刺さるというか覆われて締められて、呪詛吐きたくなるレベル。再読でよりヤラれてしまう。やっぱり配りたい。

2021/05/20

感想・レビューをもっと見る