もしも、私があなただったら (文春文庫 し 48-5)
もしも、私があなただったら (文春文庫 し 48-5) / 感想・レビュー
じいじ
白石一文の持ち味が存分に発揮された「オトナの恋愛」を描いた傑作です。随所で読み手に投げつけてくる哲学的な主張で、立ち止まり考えさせられます。本作は、いつもより反駁の箇所が少なく、共感・納得する度合いが高かった。主人公は大企業の不正指令に我慢できず退職、妻とも離婚して故郷の博多に戻り、小さなバーを開業する男(50歳)。そこに、かつての同僚妻が訪れて「あなたの子供を産みたいの」と告げるところから、物語は佳境に入ります。人生の中間点を過ぎた男と女の再出発物語は読み応え十分です。
2020/06/18
相田うえお
★★★☆☆20114【もしも、私があなただったら (白石 一文さん)】作品の舞台は博多。書き出しは主人公男性の腰痛シーン。ギックリ腰なのかな?年齢関係無く、変な体勢でメチャ重の物体を抱えたりするとマジやばいですからね。そーいえば博多って福岡市博多区とはなってますが、福岡と微妙な関係だとか聞いたことあるんでよ。当方の住んでる埼玉からは簡単に行けないんで、その空気感は分かりませんが実際どうなんでしょう?あらら〜横道に逸れちゃって作品の話が出来ずに文字数オーバ〜!(* ̄▽ ̄)ノ◇ イエローカードいや、赤色か?
2020/10/30
タツ フカガワ
6年前の43歳のとき大企業を退社と同時に離婚もし、故郷福岡でひとり流行らないバーを営む藤川啓吾の前に、かつての同僚の妻美奈が現れていきなり「あなたの子どもが欲しい」と言い出した。相変わらず白石さんの作品はとんでもない場面から始まる。40代の男と女が新たな人生を踏み出すまでを描く物語で、美奈の出現によって揺れ動く啓吾の心情は、『一億円のさようなら』の加能鉄平に通じる面白さ。一気読みでした。
2022/06/24
そうたそ
★★☆☆☆ 中年男女の恋愛を描く一冊。著者の作品の中ではかなりシンプルな方で、露骨な性描写が気にならなければ、総じて読みやすい内容だと思う。ただ落ち着いた、というよりはむしろ、かなり熱い作中での中年男女の恋愛について読んでいてどう思うかというところはあると思う。歳にかかわらず、恋の形は様々だろうが、どこか浮世離れしたもののように思えて仕方がなかった。
2021/01/28
時代
理屈ではない恋愛情事。人生経験を積んだ中年世代の男女だからこその濃密さでしょうか。愛するという事は時に人を裏切るという事。ありふれたテーマだが、もしも私があなただったらと思うと答えは変わってくるのかもしれない。料理と性行為の描写が詳細過ぎてちょっと笑える〇
2020/06/03
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