風に恋う (文春文庫 ぬ 2-3)
風に恋う (文春文庫 ぬ 2-3) / 感想・レビュー
さてさて
『ぶつかり合うから、音楽は輝くんだ』。そんなコンクールの場へと青春をかけていく高校生たちのひたむきな想いがたっぷり詰め込まれたこの作品。そこには、『そうだ、こういうのが楽しくて、嬉しいから、吹奏楽は楽しいんだ』と、演奏によって一つの理想の世界を作り上げていく生徒たちの瑞々しい姿が描かれていました。“王道のコンクールもの”として、額賀さんが『入れられるものは全て入れよう』とその思いの丈を注いで描かれたこの作品。青春ってやっぱりいいよね、デビュー作の読後同様にそんな想いいっぱいに満たされた、そんな作品でした。
2022/03/23
おしゃべりメガネ
5年半ぶりの再読。これもやっぱり泣けました。でも、前に読んだトキよりちょっと不思議な違和感みたいなのが残ってしまい、なんだろうって思いましたが、きっと主人公の一年生部員「茶園」が泣きすぎキャラだからかもしれません。埼玉にあるとある吹奏楽の名門校の青春溢れる物語。とはいえ決してキラキラモードだけで終わらせないのが、額賀さんならではです。吹奏楽部出身や現役吹奏楽関係者の方はぜひ手にとっていただきたい作品です。過去の栄光に逆に呪われて日々を過ごすって、ちょっとキツいですね。何事もまずは楽しむコトが大切かな。
2024/03/26
名古屋ケムンパス
ゆるぎないスポ根青春小説の吹奏楽決定版です。千間学園高校吹奏楽部部長、アルトサックス奏者の基の葛藤や熱情を余すことなく伝えます。でも、作品は吹奏楽をこよなく愛し、母校の吹奏楽部の担当教師として戻ってきたかった千学卒業生瑛太郎の再生の物語でもありました。音楽に人生をかける価値を見つけた者は誰しも麗しい勝者となるのです。
2024/04/12
ナミのママ
単行本で読み損なったので文庫を待っていました。額賀さんの王道的な青春作品。今作の舞台は高校の吹奏楽部。その部員、そして若きコーチ。わかりきったようなストーリーに(!)どっぷりとハマり、嫌なニュースを忘れ、この世界を堪能しました。自分の高校時代と重ねる事もなく、今読むこの作品は別次元のように面白かった。まさに現実逃避にはうってつけの作品でした。
2020/07/25
Comit
積読本~かつては強豪校と呼ばれ、今ではダメ金すら取れなくなった吹奏楽部が全国コンクールを目指す物語。復活のためコーチを任されたのは、母校のOBで、全日本コンクール出場経験のある不破瑛太郎だった…憧れだった不破の背を見て、吹奏楽にのめり込み、燃え尽き、それでも千間学院に入学した茶園、そんな彼に、かつての自分を重ねる不破、2人の出会いは2人のこれからを大きく変える。力強く、それでいて爽やか、タイトルも素敵な作品。2021年ラストの1冊。そして2021年マイベスト10に入る本でした✨
2021/12/31
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