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ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話 (文春文庫 う 38-1)

ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話 (文春文庫 う 38-1)

ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話 (文春文庫 う 38-1)

作家
上橋菜穂子
津田篤太郎
出版社
文藝春秋
発売日
2020-09-02
ISBN
9784167915667
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ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話 (文春文庫 う 38-1) / 感想・レビュー

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みゆ

肺ガンの母の看病・看取りを経験した作家・上橋さんと治療に関わった医師との往復書簡。と聞いて私信をまとめた物と思っていたら、生と死を巡るガチの対談集のような読み応えがありました。生物学、認知論、文化人類学、東洋医学からAIまで、お二人の視点と考察はとても幅広く、なるほどなと思う事しきり。中でも「生と死」に「性」を加えた考察が新鮮。ストンと腑に落ちました('∇^d)☆!!

2024/08/29

chiseiok

往復書簡集との事で、時系列半ばに上橋さんのお母さんが亡くなられた際の記述があった。それは『鹿の王 水底の橋』のあとがきで既知ではあったけれど、やっぱり泣けた。そして期待通りの津田医師&上橋女史の深い知見に満ちたキャッチボール。ぼ〜っと生きてる自分にとっては目から鱗、脳味噌にメンソレータムの知的スリルに満ちた最高のセッションでした。ノンフィクションとしては福岡伸一さんの『動的平衡』以来のざわめきっぷり。“生”(性?)と“死”、新参の西洋医学と悠久の東洋医学、巻末に追加された新章も含めて唸らされまくり。良本!

2020/09/27

楽駿@新潮部

品川図書館本。これほど季節感にあふれ、命の尊さにあふれた、美しい書簡を私は知らない。あのバルサやエリンの産みの親、上橋氏と医師である津田氏の往復書簡。蓑虫の命から始まり、人の命、母親の闘病から死に至るまでの、命への考え方。そして、人間全般の命の意味と、あり方について考える。その追及は、コロナのような、ウイルスの意味と、人間との関わり方まで突き詰める。AIの可能性と、限界、人としての意味。どの言葉も、宗教的な考え方というよりは、生物学的検証の上に、見つけられた言葉。何回でも読みたくなる書簡。心が洗われる!!

2020/11/23

みさどん

お二人の往復書簡の形式をとった語り。文章がお上手だし、取り上げられた逸話や例文が興味深く、考えさせられたものがいくつもあった。たくさんの文献をひもといて、易しい言葉で説明してあるのだ。ありがたく得した気分。生を導くものと死へと誘うもの、絶滅プログラム、生きることの意義など、頭のいい人は昔からいろいろ考えてきたんだなと。死や病気への恐怖は全ての人が持つものだし、それって克服できるものなのだろうか。今を大事にしたいって思う。

2021/05/23

Sakie

目には見えないもののことをじっくり考える習慣は、人を強くする。人間の身体は遺伝子を繋ぐため、生命を存続させる必要がある間は生きたいと思わせ、時が来れば容赦なく壊れるようできている。対して、感情は振りほどきようがない強さで、いつもあとから湧いてくる。その落差を埋めるために、人は熱意を傾けて知を育むのではないだろうか。『自分が直面している状況に関して、切り口を変えると、全く見方が変わってくる』。"気配"の概念を理解できない西洋人の話が出てくる。東洋の思考は見えないものを捉える切り口を増やす利があると思い至る。

2022/08/30

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