表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 (文春文庫 わ 25-1)
表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 (文春文庫 わ 25-1) / 感想・レビュー
岡本
ハードカバーを買っていて文庫本も買ったのは初めて。文庫本化にあたって「モンゴル」「アイスランド」「文庫あとがき」「解説(DJ松永)」の合計100ページ以上の書き下ろしが付いており、ハードカバーを買った人にもオススメ。「キューバ」編を読むのは2回目だが、どんな旅行記や旅番組よりもキューバに行ってみたくなる文章。読む度に定期的な書籍化を望んでしまう。
2020/12/03
ゼロ
オードリー・若林正恭の旅行記。キューバ、モンゴル、アイスランドの旅行について描かれています。本書は、旅の思い出を語るという役割よりは、「新自由主義とサル山の掟からの脱出」を描いているように感じられました。単行本時は、親父との別れを悲しむ面が強かったのですが、文庫となり、書き下ろしとコロナ後の東京を追加することにより、資本主義の疑問を爆発させているように感じました。日本特有の「世間」と「資本主義」は相容れないものと論じ、大事なものは「血が通った関係と没頭」。メッセージが強くはありますが、読みやすい本でした。
2021/02/13
ゆいまある
KU。おそらく若林を文筆家として世間に認識させた一冊。お金が稼げるようになった若林は家庭教師を雇い、社会を勉強する(真面目な人である)。格差社会が新自由主義に端を成すことを知り、それなら社会主義国を見てみようと単身キューバに行く。自分と会話しつつ進む若林。余りにコミュ障が過ぎる。人の言葉に傷つき過ぎる。そこが魅力。解説がCreepy Nuts DJ松永。若林に憧れてここまで来たらしい。そうかラップ好きだったよね。人見知りが不器用に呟く言葉が人を救う。世界が不思議に繋がっていて少し優しい気持ちになれた。
2024/08/18
ふう
テレビの中ではにかんでいる若林さんが、まるで隣にいて話してくれているような旅の本でした。知識や情報だけではわからないもの、そこに行ってそこで暮らす人々とふれあい、そこに吹く風を肌で感じなければわからないものが旅にはあります。そんな旅で、若林さんが自分を見つめ、なぜこの旅に出たのか考え、そして少しだけ探していたものを見つけることができて、わたしもいっしょに旅をし、いっしょに考えることができました。多分それも知識だけの部類に入るのかもしれませんが、旅だけででなく、若林さんの思いにも共感して帰ってきました。
2020/11/03
須戸
旅行記として事前にイメージしていたものとは異なった(特にキューバ編)けれど、世界史や世界地理に疎い(キューバに対する知識はゼロだった)自分にとって、新しい知識を得られる本だったため満足した。日本を含めどのような国でも、メリットとデメリットがあることを実感した。読んでいて楽しかったのは、著者自身が楽しかったのだろうなと思えたモンゴル編。モンゴル編とアイスランド編は単行本版には載っていない(書き下ろしとして追加された章)ので、文庫版で読んで良かったと思う。
2020/11/10
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