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インフルエンス (文春文庫 こ 34-6)

インフルエンス (文春文庫 こ 34-6)

インフルエンス (文春文庫 こ 34-6)

作家
近藤史恵
出版社
文藝春秋
発売日
2021-01-04
ISBN
9784167916220
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インフルエンス (文春文庫 こ 34-6) / 感想・レビュー

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さてさて

三十数年に渡ってこの国が歩んだ時代を、古びた団地の姿に見るその物語は、『結局さ、一度レールから外れてしまうと、もう戻れないんだなと思ったよ』と語った里子の言葉に深い闇を見るものでした。そんな闇がどこまでも晴れずにじめっとした重苦しいばかりの空気が支配するこの作品。欺瞞、嫉妬、執着という言葉から感じるじめっとした嫌な空気が支配する闇の暗さに鬱屈となるこの作品。近藤さんの絶品の人物描写の中に人が人をそれぞれに思いやる様を見る物語は、その先に、生きることのある意味での怖さと人生の孤独を感じる、そんな作品でした。

2021/05/17

納間田 圭

息を呑んだ。息が詰まった。似たような生活レベルの家族が…同じ間取りの部屋に住んでいる。異質に映るほどの均衡化した共同体。そんなマンモス団地で育った…3人の少女。通う幼稚園も小学校も…同じ。その閉鎖された世界が彼女達の全てだった。友達同志みんな同じだと信じていた。でもやがて…互いの違いの現実を、その理不尽さを知るようになる。親友を助けるために…男を刺してしまった女子中学生。その身代わりに…逮捕される別の親友。そして自分の代わりに…祖父を殺して欲しいと頼んでくる女。そんな3人が…大人になって再会した時の〇〇

2024/03/10

相田うえお

★★★★☆21087【インフルエンス (近藤 史恵さん)】とにかく凄すぎる作品でした。このストーリーは長い時間軸であったにも拘らず、唸り声が出そうになるほどの強烈な展開で目が離せなくなってしまいました。これは間違いなく傑作です。ひとりの女性が作品ネタがあるので聞いてもられないか?と女性作家に持ち掛けてくるところから話は始まります... 彼女達は学生時代に過ちを犯したものの、互いに予定外の結果となったまま時が流れていき、最後に再び一線を越える事をしてしまうんです... ラストの急展は息つく間もありません!

2021/09/07

アッシュ姉

因果は巡る。いや、因果を回す三人の女。庇って被って代わって、罪の共有の連鎖が止まらない。どこから始まってしまったのだろう。頼れる大人なんていないと悟った子供時代か、暴風雨に耐えねばならなかった中学時代か。彼女たちの選択は理解しがたいところがあるが、身を守る術や少しで生きやすくするコツなど、人との距離の取り方や自分の見せ方は共感するところがあった。

2021/07/29

鍵ちゃん

小学2年生の友梨は、同じ団地に住む親友の里子が虐待されている事を知る。誰にも言えないまま中学生になった時、憧れの存在・真帆を救うために友梨は男を刺してしまうのだが。不可解な事件が少女たちを繋げ、罪は密かに重なり合う。大人になった3人の運命が明らかにした驚愕の真相とは。うん、これ凄い話でした。少女たちの繋がりや事件も想像を超えていた。そして最後のどんでん返しが凄い。数多く読んでないが、この作家さんがこの様なサスペンス的な作品を書くとは驚きました。

2024/02/12

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