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修羅の都 (文春文庫 い 100-5)

修羅の都 (文春文庫 い 100-5)

修羅の都 (文春文庫 い 100-5)

作家
伊東潤
出版社
文藝春秋
発売日
2021-01-04
ISBN
9784167916237
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修羅の都 (文春文庫 い 100-5) / 感想・レビュー

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W-G

最近はドラマの影響もあって、どこの書店でも、時代小説は頼朝/北条家関連のコーナーが出来ている。その中で、一番興味をそそられた一冊。武士の世を造る為に、修羅として突き進む頼朝の背景は深掘りされず、最初からそういう人物として描かれており、下手な作家が書けば、説明不足でまったく入り込めない代物になりそうなものを、あえて読者に空想の余地を残したように持っていけている。頼朝が耄碌し始めてからの緊迫感は良く表現されており、何か大事が起きる訳でもないのに、頁をめくる手が止まらなくなる。続編も読んでみる予定。

2022/05/11

みっちゃん

平家討伐から頼朝の死までの経緯。全体を覆う不穏な空気。が、さらに後半の緊迫感は尋常ではない。元々、己の作り出した体制を維持する為ならどんな冷徹な判断も躊躇う事のなかった頼朝が、病によって変容し、その判断力は失っていきながらも、猜疑心と攻撃性は増していく中で、鎌倉殿からの「花押」を克ち取る為の北条氏対梶原、比企両家の熾烈な心理戦。落馬の為、とは謂われているが未だに謎の多い頼朝の死の真相への作者の推理には正直鳥肌。まさに修羅。これはもう次の『夜叉の都』も読むしかあるまい。

2022/04/09

たま

永井路子さんの『炎環』に続き、鎌倉幕府もの2冊目。平家滅亡(1185)から頼朝の死(1199)までを頼朝と政子を軸に描く。頼朝の死についてある仮説を立て、その仮説に沿って死に至る過程を丹念に辿っているのだが、仮説の性質上、頼朝と政子の心理描写に重点が置かれ巧みな心理小説となっている。ただ、鎌倉武士の蹴落とし合い-策謀、讒言、裏切り、などなど-を予期して読みはじめたのでちょっとビックリ。策謀は続編『夜叉の都』に期待しよう。

2022/05/13

アッキ@道央民

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも関わるお話しでもあり、読んでみました。冒頭プロローグでは承久の乱で北条政子が御家人たちへの演説直前。本編は、源平合戦で平家を滅ぼし、さぁ、武士の世を作るために鎌倉幕府を守り抜いて行くか!って所からだけど、その後の権力闘争。火種になりそうな人たちを抹殺。弟の義経から始まり、身内や見方まで。まさしく修羅の都そのもの。頼朝と政子が中心のお話しだけど、義時も登場。政子の影に隠れてはいるけどけっこう強かかも。頼朝も魔物に取りつかれたかのよう。権力を守るためという重責もあったのかな。

2022/02/09

金吾

○平家滅亡以降の頼朝の晩年について、仮説を交えながら書いています。頼朝夫妻で目指している物の変質や御家人の激しい欲望が上手く書かれています。大姫がかなりポイントになっているのも斬新でした。

2023/12/13

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