飼う人 (文春文庫 ゆ 4-5)
飼う人 (文春文庫 ゆ 4-5) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
4つの短篇からなる。呼応する第1話と第4話に挟まれて2つの独立した短篇から構成される。まず第1の共通項は、タイトルにあるように、それぞれの主人公たちが何らかのモノを飼育している。ただ、それは一風変わっていて、イボタガ、ウーパールーパー、イエアメガエル、ツマグロヒョウモンである。しかし、飼育する彼らはけっして偏執的なタイプではない。むしろ、ある意味では普通の人格を有していると言える。第2の共通項は、彼らが抱える本質的な"孤独"である。そもそも彼らの世界は狭いのだが、その中にあって彼らは本質的には誰とも⇒
2021/11/11
さこちゃん
意外な生き物を飼う人達四篇。可愛がるというより、世話をする事で自分の生きる辛さを紛らわせているよう。最初と最後に納められた、疲れきった夫婦それぞれ目線の物語が印象的。自分がいいと思ってしている事は相手が望んでいない事。それは譲る事ができない価値観の違い。年明けから柳美里作品を続けて読み、心が疲れた。
2021/01/09
さち@毎日に感謝♪
独特の世界観で読むのが難しく、どの話も暗いイメージばかりでした。生き物を飼っているそれぞれの人達の絶望しか感じられませんでした。
2021/05/17
CCC
現実に摩耗して気力を根こそぎにされている、そんな人ばかりが出てくる短編集。虫やらなにやらを飼ったりするが、それが救いになるような話ではなかった。すごい閉塞感。人生はつらいなあ。
2021/09/18
常盤そら
マイナーな生き物を飼っている方々の短編集でした。 正直名前だけじゃどんな生き物か想像つかなかったので調べてみましたがどれも自分には触れそうにない生き物ばかりでした:(っ'ヮ'c):。1つ目と4つめの話が繋がってて結構好きでした。
2021/08/18
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