小萩のかんざし いとま申して3 (文春文庫 き 17-12)
小萩のかんざし いとま申して3 (文春文庫 き 17-12) / 感想・レビュー
Masakazu Fujino
文庫本になるのを心待ちにしていた、「いとま申して 3」 圧倒的な読後感。知の巨人、歌人で古代学・民俗学の大家の折口信夫とその周辺の人々の姿が群像劇のように描かれている。北村薫さんのお父上、宮本演彦氏はその一人として学び生きていた。お父上の辞世「『いとま申して、さらば』と皈り行く 冬の日の、竹田奴かな 」歴史の中で忘れ去られようとする人々の姿を残そうとする北村さんのおかげで、折口信夫とその周辺の人々のさまざまな姿を知ることができた。待っていた甲斐があった。
2022/06/24
まあさん
北村薫氏は膨大な資料を吟味、折口信夫氏や横山重氏といった人物の足跡を追いかけ、物語として再現します…しかもそれが日記の時系列と絡んでいくという…読み応えたっぷりの作品です。 小生の知識があまりに追いつかないので、ネットで不明点を調べながら(こういった読み方ができる文明の利器に感謝…)の遅読中の遅読となりましたが、その苦労も愉しみと思えるものでした。
2024/02/12
24う゛ぃれっぢ
一人の学生の日記から昭和史に切り込む物語の完結編。昭和の時代を生きた人々の運命と結末に心が揺れます。ただただすごい。本当にすごい。
2021/03/07
Tatsuo Ohtaka
父の日記をベースに時代を切り取る群像大河小説、と言ったらいいのだろうか。不思議だがとても味わい深い。
2021/02/23
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