トコとミコ (文春文庫 や 53-4)
トコとミコ (文春文庫 や 53-4) / 感想・レビュー
Ikutan
昭和二年、ロンドンから帰国した六苑伯爵家の令嬢、燈子の遊び相手に指名された使用人の娘、美桜子。トコ、ミコと呼び合い、友情を育み共に成長していく。終戦を境に伯爵家は没落。野心家のミコは才覚を生かして実業界で成功し六苑家を支える。一方、教養と美しさを兼ね備えたトコは新たな時代の女性たちの憧れに。戦前戦後、時に妬み、時に慈しみ、激動の時代を生きたふたりの90年の大河ロマン。時に運命に流されながらも、強い心を持ち続けた二人の生きざまに心奪われ一気読み。面白かった。イングリッシュニードルポイントの作品も見てみたい。
2021/02/25
坂城 弥生
「お金儲けをする人は二種類いる。人を泣かせて儲ける人と、人を喜ばせて儲ける人」 美桜子は聡明で高潔な女性だった。守りたいものを守り抜いて、燈子の前から姿を消したのも自分が壊してしまいそうだったから。というのもあったのかもしれない。燈子もただの世間知らずなお嬢様ではなかったから美桜子がどれだけ盾になってくれていたのか解ってたから、助けになれなかった事を後悔していたのかも。再会できて本当に良かった。時代を生き抜いたしなやかな女性の姿だった。
2021/02/23
優希
面白かったです。令嬢・橙子の遊び相手に選ばれた美桜子。2人の友情は出会ってから90歳まで続くというのが凄いところです。愛しみあい、妬みあい、傷つけあいもしたけれど、2人の想いはそれぞれ変わらなかったことでしょう。大河小説としても読める作品だと思いました。
2021/10/01
Kana
六苑伯爵家の令嬢燈子と使用人美桜子の子供時代の出会いから90年間の話。終戦後伯爵家は没落して、美桜子は実業家として成功して燈子たち六苑家を支えていく。激動の時代を生きた2人の話は面白くて一気読み。様々なことがあったけど2人は唯一無二の大事な親友だと思った。
2021/03/28
Sakura
トコちゃまこと六苑伯爵家の令嬢・燈子と、遊び相手に指名されたミコこと美桜子。二人の90年を描く壮大な大河ロマン!こういうの、大好きです。戦後は伯爵家が没落、一方で美桜子は実業家として成功、二人の立場が逆転するとか、どんなに成功しても燈子への劣等感がぬぐえない美桜子とか、確かにありがちなストーリー展開と言えなくはないけど、十分楽しめました。
2022/07/04
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