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この春、とうに死んでるあなたを探して (文春文庫 え 17-1)

この春、とうに死んでるあなたを探して (文春文庫 え 17-1)

この春、とうに死んでるあなたを探して (文春文庫 え 17-1)

作家
榎田ユウリ
出版社
文藝春秋
発売日
2021-03-09
ISBN
9784167916572
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この春、とうに死んでるあなたを探して (文春文庫 え 17-1) / 感想・レビュー

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いつでも母さん

読み友さんのレビューに誘われてお初の作家さん。かつての同級生、38歳の男同士の関わり方が好い。特に僕・矢口が始めはウザすぎると思った小日向に、ほとんど振り回されるのに馴染んでしまう?自然体で受け入れてしまう数々が愛おしくすらあった。あの頃矢口が転校して間もなく亡くなった担任の死を巡るのだが、それは同時に矢口の喪った愛する者と向き合い悼むことでもあったのだなぁ。文庫書き下ろしにこの一年のコロナ禍を思い、読後はしばしカバー写真がじんわりと沁みて今年も桜はそれぞれに咲くのだと妙に満たされた読書になった。

2021/03/25

りゅう☆

雨森の町に戻ってきた矢口38歳元税理士。家主は元同級生でカフェを営むユキ。ユキって他人が迷惑を被ってるのに気付かず突き進むタイプ。小学生がそのまま大人になったような。でもいいヤツなんだな。当時の担任文月先生は亡くなっていた。本当は自殺だったのでは?いじめ、不倫など色々な事実と遭遇してしまうけど真相を知れてよかったかなと。そしてコロナ禍で最初の緊急事態宣言が出た時の彼らの近況が描かれている。カフェだから営業できない状況だったね。榎田さん、まさかのBLありがとうございます!今はまたカフェが繁盛してるといいな。

2021/10/31

ミュポトワ@猫mode

面白いわ、これ!榎田先生、やるなぁ。もともと宮廷神官物語で好きになったから、長編かつ単発(シリーズものではないもの)ものってこれが始めた読んだけど、こんな本も書けるのね。シリーズものとは違った、凝縮された面白さがありました。もちろん、シリーズ物はそれはそれで面白いけどね。でも、作家さんのパワーが一番出るのは単発もの、特に短編だと常々思っているわけよ。短いながらにどれだけ思いをぶつけてくるか、それを楽しみに読んでることもあるわけね。その点、この本は良かった。重いテーマを扱っているくせに、ちゃんと面白かった!

2022/10/21

kei302

祝! 文庫化。ありがとう、文春文庫。表紙も文庫本の方がすてきです。書き下ろしのおまけ付き。 文庫化再読で矢口の「あなた」は三人いたことに気づく。 ユキが矢口に「矢口くんは、もう少し、生きることに真剣になるべきだと思うのよ、俺」と怒った場面がいいな~。あのユキが。 邑が言うように、わからないことは、わからないままでいいとも思うし、はっきりさせたことで救われる人もいるとも思った。 桜の季節にぴったりの作品、

2021/03/17

本詠み人

親の仕事の関係で転校続きの子どもだった主人公 矢口弼…そつなく目立たないよう振舞う秀才。その彼が中学時代を過ごした雨森町に越して来るところから物語が始まる。元同級生の小日向には当時から振り回されていたが今も?!ドタバタと進む話はどこに向かっているのか分からなかったが、少しずつ事情が明らかに…。身近な人の自殺や死を描く今作。喪失から立ち直るのに必要なものとは。それぞれの変化が嬉しい、素敵な作品でした💞

2021/10/20

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