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六月の雪 (文春文庫 の 7-12)

六月の雪 (文春文庫 の 7-12)

六月の雪 (文春文庫 の 7-12)

作家
乃南アサ
出版社
文藝春秋
発売日
2021-05-07
ISBN
9784167916893
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六月の雪 (文春文庫 の 7-12) / 感想・レビュー

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ふう

父が「湾生」だったことで、日本統治下の台湾についてある程度は知っていましたが、終戦後の台湾については知らないことが多く驚かされました。そして、台湾と日本のつながり、それぞれの国の家族のありようについて考えさせられました。台湾の女性が語る過去が少し長いかなと思いましたが、ここまで書かないと台湾の悲しみは書ききれないと作者は考えたのかもしれません。主人公未来が自分の将来を見つめるためにも。 誰の人生も重く長い物語だと改めて思い知らされました。

2021/06/01

カブ

祖母の故郷、台湾を訪れる孫の未來。現地の人たちに助けてもらい、戦前に祖母が住んでいた台南市を旅する。台湾が日本領だったことは知っていたが、現在に至るまでの過酷時代など知らないことの方が多く驚く。それでも美しい風景や美味しそうなご飯、いつか台湾に行ってみたいと思う。

2022/03/13

るい

少しずつ忘れていきながら台湾で過ごした日々を懐かしむ祖母を思う孫が、台南へその想いを辿りに。 恥ずかしながら今まで頭の片隅にしかなかった日本統治時代。すごく興味が沸いて夢中で読んだ。 考え方や気持ちが似ているのに環境によって変わってそれは見えなくなることも… 必要かどうかもわからないようなもので溢れるこの時代より、ものがなく工夫しなけれぱ暮らしていけなかったあの頃のほうが充実して愛おしいと感じる祖母の気持ちに共感。便利なようで見えなくなったもののほうが多いなと感じる今。

2021/12/06

piro

祖母が生まれ育った家を探すため、台南を訪れた未來。父の教え子やその知人、そのまた知人らの助けを借りつつ祖母の家や母校を訪ね歩く中で、台湾の複雑な歴史を知る事になります。見ず知らずの日本人の為に奔走してくれる現地の人々の親切心に心温まると共に、かつて日本だった土地への不思議な想いが高まる一冊。そしてかつて祖母が住んでいた町の日本家屋で出逢った家族の壮絶なエピソードも絡み、濃密なストーリーでした。「六月の雪」、是非とも見てみたいです。著者の『美麗島紀行』も合わせて読むのがお薦め。

2022/03/05

たぬ

☆4.5 なんと6年半ぶりの乃南さん。読み進めるにつれ主人公と同じくらい、いやそれ以上に私は台湾のことまるで知らないんだと悟った。日本の次は中国本土に支配されていたことも台湾語を禁止されていたことも。市民生活もそう。後半の劉さん母娘の話はつらかったな。長女だから幸せになれないのも仕方がない、我慢するのが当然なんてひどい話だよね。雑な日本語も含め私もかすみちゃんが好きだったから最後は言葉が出なかった。

2022/12/16

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