炉辺荘のアン (文春文庫 モ 4-6)
炉辺荘のアン (文春文庫 モ 4-6) / 感想・レビュー
さつき
アンシリーズも6冊目になると、成長期の子供達がメインになってきます。昔読んだ時はお母さんになったアンにはあまり興味が持てなかったけど、今の私にはまさにドンピシャ、同じような年代になりました。イヤなおばさんや強烈な個性の隣人達など大人になったからこそ分かる味わいもあり楽しく読みました。次巻からは主役はアンの末娘リラになります。そう思うと、この巻の最後が愛する家族の寝顔を見るアンで閉じる事にしみじみ。子供の寝顔って本当に可愛いですから。巣立つ日が来ることを思い目頭を熱くしながら読み終えました。
2022/01/28
あたびー
解説によれば、アンシリーズ6作目の本書は、実際にはモンゴメリ生前最後に出版された本らしい。つまり時系列的にはこの後に来る、もっと成長した子供たちの話は、本作よりも前に書かれているということだ。アンの子供たちの幼い日々。子供にとっては大問題の微笑ましいエピソードが各章を飾っている。また、この作品の舞台はWWIより前だが、執筆された時期はヒトラーが台頭し再び軍靴音高くなる頃。先に出ている本に描かれたアン一家の運命を伺わせる表現もあり、幸せの中に不安も感じさせる。
2024/04/01
信兵衛
47年ぶりに読んでみると、本作、「赤毛のアン」と対称的に描かれていると感じます。
2023/01/21
まゆみ
アン34歳から40歳。作家モンゴメリ65歳生前最後に発行された作品。以前に発行されたアンの子供たちの幼い頃のエピソードを交えながら、母としてのアンが描かれる。時には感情的になるところを垣間見えるところが安心(笑)理不尽に叱ることはなく、子供たちの想像力に感嘆し、常に寄り添う包容力に温かさを感じます。子育ての哲学あり。そして夫婦としての関係性は、最後のエピソードとして面白くて幸福に満ち溢れ、やはり、アンは、アンでした!
2022/05/27
wasabi
あのアンが30代も半ばとなり、6人の子どもたちのお母さん。母親譲りのたくましい想像力はよいとしても 、ブライス家の兄弟姉妹は思い込みが「底抜け」で、言わばあまりもの世間知らずから悩みが尽きない。人を信用し過ぎるかと思えば、ずいぶんと勝手な物語(偏見)を抱いてみたり。というか、炉辺荘の周りの子どもたちのいじめが呆れるほど陰湿で嫌になる。大人たちとて似たようなものか。昔のムラ社会では「あるある」話だったんだろう。こうして振り返れば、アンシリーズはアヴォンリー時代で幕にした方が良かったのかも。妄想に夢があった。
2023/09/11
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