ル・パスタン (文春文庫 い 4-136)
ル・パスタン (文春文庫 い 4-136) / 感想・レビュー
Kira
図書館本。「週刊文春」に1986年11月からおよそ2年にわたって連載された画文エッセイの新装版。苦手なエッセイも池波氏の書いたものなら読めた。なにしろ語り口が小説のそれと同じで、違和感なく読めてしまう。特に、食に関する話が興味深い。池波小説に出てくる数々のおいしそうなものの原点を見たような気がした。加えて、池波氏の描いた絵の味わい深いこと。まことに才能にあふれた方だったのだなと、実感した。
2022/05/06
八百蔵
時代と共に考え方が古くなるのは当然だが、その中に、やはり人間、そうそう変わらないもの、これをスパッと切り出して見せてくれるのは、ヤッパリ一流の作家の仕事。
2024/03/31
vivi
★★★☆☆
2022/05/28
花陽(かよう)読書会
題名の「ル・パスタン」とは、日本語で「暇つぶし」といった意味だそうです。池波正太郎の、時代小説の文章とは違った味わいのある文章。フランスからイタリアにかけての旅行記や、映画の話、歌舞伎の話、etc...の内容は、日記のような書き物になっています。ここ最近、現実の世界ではロシアによるウクライナ侵攻があったり...暗い気分に落ち沈みがちな中で、こういった本を読書できる時間は、とっても大切。心が洗われました。
2022/04/12
KJ
中年になった今、若かりし自分に、池波正太郎に出会ったことを褒めたい。何の気まぐれか記憶にないが手に取った「鬼平犯科帳」をきっかけにどっぷりと池波正太郎にはまった。なんらかの影響は受けている。「ル・パスタン」はフランス語で暇つぶしを意味する。エッセイでもあり回顧録でもある。年寄り特有の頑なさが垣間見えるが、戦中戦後を生き抜いた一人の人として思うことはそれはあるだろう。だけど、決して不愉快には思えなかったのは、これを書かれた年に近づこうとしているからかもしれない。
2024/08/11
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