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傑作はまだ (文春文庫 せ 8-4)

傑作はまだ (文春文庫 せ 8-4)

傑作はまだ (文春文庫 せ 8-4)

作家
瀬尾まいこ
出版社
文藝春秋
発売日
2022-05-10
ISBN
9784167918712
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傑作はまだ (文春文庫 せ 8-4) / 感想・レビュー

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独り身おっさん作家の主人公の元に突然訪ねてきた昔行きずりの女性との間に出来た息子の智。共同生活をするうちに引きこもりおっさん作家がどんどん社交的になり、世間や家族との繋がりを取り戻す話。出てくる人に嫌な奴が一人もいないのが瀬尾さん作品。ゆったり読めました。疑り深い私は智が訪ねてきた理由や美月の目的をつい捻って考えてしまうけど何も捻りはなく純粋な話でした。地域の人との繋がりって私自身もかなり希薄だけど災害が起きた時って重要になるのだな。見直して近所の人とコミュニケーションを取ってみようと思いました。

2022/07/02

Kazuko Ohta

幾度も書いていることですが、私にとっては「心が疲れているときには瀬尾まいこ」。たいてい、ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな設定で、本作は若かりし頃に一夜だけ共にした女性との間に子どもができちゃった。しかし双方結婚は望まず、女性がひとりで子どもを育てる。それが25年経ったある日、息子だという青年が突然訪ねてきてひと月同居することに。軽くて非常識に見えるわが息子。だけど常識がなかったのは自分のほう。スタバで大声で注文する女子の話は目からウロコ。そういうふうに人を見られる人間になりたいとちょっと思った。

2022/10/11

あきら

感情を揺り動かす、いい話でした。 幸せのかたちを表現するのに、リアリティがあるかどうかは必須ではないと思わせてくれました。 からあげクンとか大福とかかりんとうとか、絶妙な存在感です。

2022/07/24

エドワード

加賀野正吉、50歳。独り暮らしで小説を書く彼の家へ、息子の智が現れる。正吉が25歳の時の子供で、母の美月との間に愛はなく、一度も会ったことがない。へっ?瀬尾さんは変わった家族をよく描くが、超一級のビックリな設定だ。正吉はローソンもスタバも行ったことがない。人との関わりを嫌がる正吉に小説が書けるのか?という疑問は置いといて、ひきこもりの正吉と、世慣れた智のやりとりが可笑しい。彼に導かれて徐々に表に出る正吉に新しい世界が開く。1ケ月後、智が去る頃には別れ難くなっている。智と美月の本当の姿は読んでのお楽しみね。

2022/05/27

となりのトウシロウ

「そしてバトンは渡された」以来の瀬尾まいこ2作目。それなりに売れている作家加賀野と一度も会ったことのない25歳の息子智のお話。突然、自分の息子だという若者が住ませてくれと訪ねてくるところから始まる。加賀野の社会性のない生活にびっくりする。全く近所付き合いもなく人とのコミュニケーションもほとんどない。しかも、未婚で出来た子どもとは言え、養育費を払うだけで25年間も会ったことがないってどういう事!?対人的に信じられない加賀野が智と出会い一緒に生活する中で人間的な様子を取り戻していくことにホッとする。

2022/11/08

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