歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん (文春文庫 た 3-59)
歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん (文春文庫 た 3-59) / 感想・レビュー
クプクプ
田辺聖子さんは小説を書くことが大好きで睡眠時間を削って小説を書いてきたそうです。他人と自分を比べているうちは視野が狭くて世の中が見えていないそうです。世の中は、まだまだ知らない広い世界があるそうです。私は今日、彼女と一年ぶりにデートをし、正に歳月がくれるものの意味を噛みしめて、帰りの電車の中で嬉し涙が止まらなかったです。大阪弁のリズムが心地いい、田辺聖子さんの晩年のエッセーです。軽い読み物ですが、私には強烈な成功体験を与えてくれました。
2023/02/05
馨
田辺聖子さんのエッセイ。女性の人生、男性の人生、仕事、結婚、家族等を楽しく語られていて、関西弁のトーンが読みやすく心地が良いです。『人生は選べるものじゃない、勝手に向こうから来るから迎え入れよう』戦争を経験した田辺さんならではの言葉だと思いました。
2022/05/14
aika
何度も読み返した単行本を親友に贈ったので、可愛らしい文庫で再読です。戦渦の少女時代に抱いた小説家の夢をあたため続けて、結婚後に夫の4人の子供たちを育て上げた田辺さん。その温かくユーモラスな中に芯のある言葉たちは、予定調和でないと何かと不安がる私の背中をいつもポンッと押してくれます。「人生ってね。自分で何もかも選べるものと違う。勝手に向こうからやってくるものなんですよ。だから柔らかな心で大きく迎え入れた方がいい。めぐりあいを愉しんだらいいんです。そうすると、そこから拓けていくものが必ずあるから。」
2022/08/29
aika
木漏れ日が差し込み、風に揺られた木の葉がさらさらと音を立てる涼やかな公園のベンチで読了。思わずクスッと笑みがこぼれて自然と肩の力が抜けるおせいさんのやわらかくて力強い言葉が全身に染み込んでくるようでした。どことなく、自分に自信がもてなくて、このままでいいのか、とか、将来どうなるだろう、どうすればいいんだろう、と気分が重くなるときに決まって手にとる本です。笑顔で日々を過ごそうとする自分を肯定してくれます。「自分はいいもの持ってる。この道はきっといいとこに続いてる。それを信じなかったら、仕方ない。」
2024/10/13
pirokichi
NHK BSで再放送している田辺聖子さんの自伝的ドラマ、朝ドラ「芋たこなんきん」にはまってしまい、田辺聖子さんの本が読みたくなって。本放送時も好きだったが、16年分年を重ねた今のほうがより心にじわりじわりとくるみたい。本書は2011年から2012年10月にかけて行ったインタビューを聞き書きしたもの。芋たこの町子さんはやっぱり聖子さんで、徳永先生はかもかのおっちゃんで、子ども達はやっぱり聖子さん家の子どもたちだってうれしくなった。「生きるって楽しいことよ。人生はいいもんです…」聖子さんの言葉は元気が出る。
2022/05/16
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