読書の森で寝転んで (文春文庫 は 36-16)
読書の森で寝転んで (文春文庫 は 36-16) / 感想・レビュー
KAZOO
私はこの方の本は「蜩ノ記」しか読んだことがなく、2017年に66歳で逝去されていたとは知りませんでした。これから活躍というのにご本人は残念だったのでしょうね。自分なりの「坂の上の雲」をこれから書こうと思っていたのでしょうね。ここに掲載されていr読書録は私もほとんど読んでいて親近感を覚えました。そのほか歴史や日常に関するエッセイが収められています。読みやすい感じが非常にします。
2022/08/22
tamami
2017年に亡くなった作家の遺著ともいうべきエッセイ集。新聞に定期的に掲載された書評と、歴史に関わる幾つかの随想作品、小説講座での語り、絶筆となった言葉が収められてある。書評は、どれも数頁の短いものであるが、作家自身の生活と読書体験、文学史的素養に裏付けられた、作品・著者の本質を衝く文章ではないかと思う。最後の一行まで作家の心遣いが感じられる。歴史随想の中では、藤原不比等についての一文が印象に残った。掌編ではあるが、それまでの自分の不比等像を一新させる視点を持っているように感じた。第三章は、「小説講座で語
2022/08/02
はな
初読み作家さん。題がまず好き。読書好きとしてはとても惹かれるシュチエーション。紹介された本など最近遠のいていた時代小説、歴史小説が多く久しぶりにまた読みたいなと思いました。そして何より葉室麟さんの本を読みたいと思いました。病床で作品の構想をお話されていたとのこと。読んでみたかった。
2024/01/14
マッピー
読もう読もうと思いながら、まだその作品を読んだことのない葉室麟のこの作品を買ったのは、もちろんタイトルに惹かれたから。『読書の森で寝ころんで』こんな至福はあるまい。50歳を過ぎてからの作家デビューで、残り時間にどれだけ書けるのかをいつも考えていらした著者の病床での最期の言葉に「西郷のあとは、坂の上の雲。がんばらないと。」とあって、その早すぎる死を残念に思う。葉室麟の麟は、勝麟太郎から取ったとあって、思わずにやり。絶対趣味合いそうだなあ。
2022/11/20
みなみ
直木賞受賞から逝去までの書評や随筆等をまとめたもの。定年退職後、「仕事に終われているときには、気づかなかった人生の細部の美しさに目がいくようになっていた」という言葉や、禅宗での食事の作法として「喜びと感謝の気持ちで、もてなす(喜心)、親が子を思うように相手の立場を考え、親切を尽くす(老心)、大山や大海のようにとらわれや偏りを捨てる(大心)」を忘れてはならないとする考え方は心掛けたい。
2024/09/07
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