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無恥の恥 (文春文庫 さ 29-9)

無恥の恥 (文春文庫 さ 29-9)

無恥の恥 (文春文庫 さ 29-9)

作家
酒井順子
出版社
文藝春秋
発売日
2022-07-06
ISBN
9784167919115
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無恥の恥 (文春文庫 さ 29-9) / 感想・レビュー

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シナモン

面白かった!ちょっと自意識過剰な気もするけど(私が年を重ねて鈍感になっただけ?)、相変わらずの着眼点と鋭い観察力、そして独特の言葉選びのセンスに笑わせてもらいました。生きてるうちは恥をかかないことなんてない、死んだら解放されて楽…と思ったら死後も大変そう。確かに死に顔をじっと見られるなんてなんか恥ずかしい。その前の段階(介護とか)でも恥ずかしいことがあれやこれやと。やはりいろいろ準備しとくべきか。私も酒井さんと同世代。可笑しさの中にもいろいろ考えさせられる一冊でした。

2022/08/28

そら

著者とほぼ同世代となる私には心に刺さりまくったこのエッセイ。海外では神に許されるかが基準となる『罪』の文化だが、我々は世間様(他人の目)からどう思われるか?が判断や行動の基準となる『恥』の文化の中で謙遜しながら生きてきた日本人だ。なのに、SNSの発達により見栄を張りながら様々な自慢を晒しまくる昨今を「あるある!」と心の中で爆笑と反省をしながら楽しく読んだ。農耕民族のなごりや、清少納言などの古典にも独自の読み解きがあり、日本の文化にもとづく『恥』とは何か?がよーく解り、自らを振り返るきっかけともなった。

2023/02/03

優希

恥ずかしいという思いがないから恥ずかしい行為も平気なのですね。「恥の文化:なんて取っ払って日々過ごしている様子がありありと思い浮かびます。

2023/01/28

練りようかん

他者を恥ずかしいと感じるのは、自分の隠れた願望を臆面もなくやってしまうことに対して敏感に反応するからだと書かれていて、紫式部が清少納言の嫌いなところや兼好法師が批判したことが、新世代やSNSの傾向以上にわかる!となったのが面白い。やはり恥は生き方と密接に関わっていて彼らの人生が終わっているからなのかなと思った。個人の幸福追求と世間様に恥ずかしくない生き方で、私達はずっと“股裂き状態”と表現したのがツボに入った。最も驚いたのは著者のビューラーは下着に相当するグッズという感覚。ほんと人それぞれだ。

2024/06/12

Inzaghico (Etsuko Oshita)

「中年とSNS」には身につまされた。「バズる」のも納得だ(もしかしたら「炎上」だったかもしれない)。酒井曰く「全てのエッセイは自慢である」。ただし、いかに自慢だとバレないように自慢するか、に精力を傾けている。なんつう高等技術やねん。で、必然的に他人の自慢にも敏感になる。たまたま、今日ツイッターで巡り合った福原麟太郎の随筆に関する箴言で、こんなのがあった。「随筆は(中略)叡智を人情の乳に溶かしてしたたらせることである。争うためでなく、仲良くするためである」。仲良くから自慢大会(苦笑)。歳月を感じさせる。

2022/10/24

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