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猫を棄てる 父親について語るとき (文春文庫 む 5-16)

猫を棄てる 父親について語るとき (文春文庫 む 5-16)

猫を棄てる 父親について語るとき (文春文庫 む 5-16)

作家
村上春樹
高妍
出版社
文藝春秋
発売日
2022-11-08
ISBN
9784167919528
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猫を棄てる 父親について語るとき (文春文庫 む 5-16) / 感想・レビュー

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優希

父親の視点から自らのルーツを探るという着眼点が面白かったです。

2022/12/25

亡くなった父を語る。村上春樹さんに、言い知れぬ寂しさを感じました、けして悪い意味ではありません。家族を語ることのなかった彼が、書くべき時期が来たのだと、きっと今書くべきと深い考えから書かれたのだと思います。彼の作品を読むことにより、改めて自分の家族とは何か、幼い自分は何だったか深く考えました。

2024/04/09

さぜん

村上春樹が父を語るが、そこには戦争が大きく関わっている。第16師団に所属していた父は毎日仏壇に向かいお経を唱える(寺の息子だった)。詳細は語らず、質問もできなかった。死後、父についての経歴を辿り知りえた事実のみが記され、村上春樹が出来上がる源流を垣間見ることができる。自分に受け継がれているものが何なのか、自分が今ここにいる意味を読みながら同時に考える。自分のルーツを知ることはもはや不可能だが、「ファミリーヒストリー」を見るたびに誰か調査してくれないかなと思う。

2022/12/23

サンタマリア

村上春樹さんが父親から引き継いだものや引き継がなかったものを知ることができた。今後、彼の作品を読む際の手がかりの一つになるといいな。また、代替可能な僕らにもそれなりの思いがある、というのはすでに僕の糧になる言葉として存在していたが、それを受け継いでいくという考え方はなかった。大切にしたい。以下、気に入ったページ数。未来の僕へ。62〜63,74,114〜115。こういった数字だけの感想は言葉から逃げてる気がして好きじゃないけど、未来の僕に送る物だし、この程度でまぁよしとする。

2022/11/27

マリリン

猫に始まり猫に終わる著者の父親への想いと回顧のエッセイ。特に淡々と語る戦争体験は小学生の頃一度だけ聞いた話を基に当時の実情がリアルに書かれている。戦地より...「兵にして僧なり月に合掌す」詠んだ句から奥深い心情が伝わってくる。疎遠な時期があってもそこには確かな継承された何かを感じる。親子とは疎遠な時期を経て初めてお互いを理解し合えるものかもしれない。書き記す事で記憶の奥底に眠っていた心情を確かめ噛みしめながら。

2022/11/20

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