神と王 謀りの玉座 (文春文庫 あ 77-3)
神と王 謀りの玉座 (文春文庫 あ 77-3) / 感想・レビュー
yukaring
「古事記」からインスピレーションを得た"新・神話ファンタジー"の第2弾。小国・丈では女神の神託により王が選ばれるが、選ばれなかった王・牟西は大欲の王かそれとも聖人か?丈にせまる危機に立ち向かう牟西と仲間たち、種族を越えた献身に読んでいて胸が熱くなった。十二国記を彷彿させる壮大なスケールで描かれる「神」と「世界のはじまり」を探し求める物語。きっとまだ出てこない国がたくさんあって、色んなドラマがこれからあるのだろうなと思うとワクワクする。キャッチコピーの「祈るな、動け!」が胸にストンと落ちた。
2022/12/16
みゆ
今度の舞台は隣の小国・丈国。信仰が厚く女神の信託ですべてが決まる国で「神に選ばれなかった王」「冷王」と陰口を叩かれながらも王としての務めを果たそうとする牟西。神への信仰・祈りに疑問を持ち、自ら切り開こうとする姿勢はこのシリーズのテーマなんですかね。まさに「祈るな、動け!」と鼓舞された一冊でした('∇^d)☆!!
2024/03/28
えみ
神と王の相克。常識だと思っていたものを唾棄される不安、そして恐怖はいつしか心に撞着矛盾を生じ、混沌を極める。それがこの国、女神の信託によって王が選ばれる丈国の現状である。その王には秘密があった…彼は偽王なのか真王なのか。神への信仰は民の心を救うかもしれない、しかし民を守ることができるのは王だけだ。「神とは何だ」とその存在を問い続ける、神話ファンタジー『神と王』シリーズ第2弾。自分がどうすべきかは神に訊くべきでない、助けを求めて祈るべきではない。言い訳にできるものに縋るのは間違っているとの警告に息を止めた。
2022/11/13
Nyah
大国斯城の王・琉劔は、慈空と共に畏怖の森「闇戸」(「風の谷のナウシカ」の腐海のような、ヒトを拒絶する森)へ。そこに伝わる創世神話。外界からやってきた神に知識を与えられ、道具を与えられた。今となっては再現できない薬や壊れた道具があるが、彼らは薬草の知識が豊富。一方小国の丈国では建国十年の式典が開かれ琉劔の叔母・飛揚が参列する。丈国では(神に選ばれなかった)牟西王が国を建て直そうとしていた。牟西が不在中、丈国は危機に陥る。牟西は神にすがるのではなく、自ら動く。/琉劔は人がいい。登場人物が増え縁も増えた。楽しい
2022/12/20
あっか
舞台は斯城国北にある丈国。副題の通り、儀式にて神に選ばれなかったのに玉座に君臨する『冷王』牟西を中心に、杜人の内情、闇戸での暮らしぶりなども描かれていく。神の名の元に国を奪おうとする1巻とはまた違う角度の『神と王』の物語でした。パンデミックがコロナのこの世ともちょっと通ずる。非常時こそ国のトップの判断が行く末に影響するよなあ…杜人が祀る種の石と、それが見せる夢、香霧?スメラ?聖眼?など世界の根幹の部分にはまだまだ謎がいっぱい!
2024/07/24
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