本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式 (文春文庫 い 73-3)
本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式 (文春文庫 い 73-3) / 感想・レビュー
あすなろ
今の我が国は、6人に1人が貧困にある。一人親世帯は2世帯に1世帯が貧困である。生活保護受給者は長野県総人口に匹敵。世界での貧困者は7億人以上。僕はこのリアルな数字を知らなかった。我が国の特徴として、貧困者が集まっている地域というのがが世界に比べ少なく見え難くなっているという。石井氏はこれらを青少年に説いているが、これは大人も知識として読んだ方が良い本だと思った。これら、またこれらの連鎖を防御するものは自己肯定・外へ向かい触れる事等自身の事も述べながら、船と港に例えられる家庭の力とその愛の力が大きいと説く。
2023/05/06
佐島楓
高校生が読むことを想定した、現在の日本を含む貧困についての本。題材はいいのだが、日本と再貧困国に近い国の話題ばかりで、論点としては浅い。日本の貧困を克服するには、社会システムそのものを変えなければこの先国がもたない。そのためには政治への参画が絶対必要になってくるのに、若い世代に対してそうした言及がない。また、北欧に代表される高福祉高負担の国への取材、最貧国への政府に対する取材はなさったことはあるのだろうか。なにかそのあたりをぼかしているのがずるいなと思った。
2022/11/14
コーヒー牛乳
「本当の貧困の話」とは、貧困が実際にどんなものかというより、貧困が社会によってもたらされ、固定化し、連鎖し、着実に日本の中に広まっていることを指すと解釈した。貧困からの脱却には、衣食住のような即効性のある支援と教育や職などのように中長期的な視点での支援の両方が必要なのだと思う。学生への奨学金のための寄付をしているが、寄付者数や総額をみると、たくさんの人が他者を気にかけて行動しているんだと心強くなる。貧困に陥ることを防ぐ、そして脱却するための支援をする主体に、一人ひとりがならなくてはと感じる。
2023/10/16
あんさん
17才の読者を想定した講義形式の本。貧困は決して「自己責任」ではなく、様々な要因で起き、世代間を連鎖し、自分たちにも跳ね返ってくる問題。子どもたちを育てる周囲の協力、親子への安心感、教育の機会などが必要だが解決は簡単ではない。しかし希望は持ちたい。「こうしたことを防ぐには、何が必要なんだろう。イマジネーションだ」「教育の目的とは(中略)そこで得たものにより、自発的に自分や社会の問題を解決していく力を手に入れることだ」「万人の幸福を願うことが、自らの幸せにつながるのです(マハトマ・ガンディー)」
2023/07/20
noko
日本は自己責任論が強いが、貧困問題は自己責任だけではどうにもならない。人は運悪く貧困になる。今お金に困っていなくても、20年後はどうかな?貧困は自分には関係ないと思って過ごしていても、放置する事で治安悪化、テロ、薬物等様々な所で繋がっていて、しっぺ返しがくる。だから放置してはいけない。できる事がないとしても、困っている人や子がいたら、声を掛けたり見守っているサインを送るだけでも良い。子ども食堂も良い。私も微力だが、フードバンクと本のサンタに協力してる。居場所が無い非社会の子どもを増やさないようにしよう。
2023/05/19
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