少年と犬 (文春文庫)
少年と犬 (文春文庫) / 感想・レビュー
fwhd8325
最終話のエピソードを匂わせることなく、6つのエピソードが綴られていきます。少し、消化不良な印象を感じるエピソードもありますが、7つめのエピソードですべてが収まります。多聞の存在感はとても大きく感じます。そして、各エピソードに登場する飼い主の方も短編ながらも深く描かれていると感じました。
2024/02/15
しげき
犬が主役とあって常識では計れない不思議な物語。とにかく主人公の犬が賢い。私より人の心を読み取れて、しかも優しかったです(笑)我が家の犬はエサの時間になったら尻尾振ってるだけなのに。 ラストは泣ける結末。
2023/10/16
Tadashi Tanohata
巻末の先生のプロフィールに「北海道生まれ」とある。「ちょっと待って、北海道には札幌あれば函館もある。長万部や女満別もあるぞ」とひとりごちながら札幌行きのpeachで読み始め帰路関空便のpeachで読了。帰路Pではかろうじてメガネのフレームで堰き止めて。「ありがとう多聞」
2023/08/29
小説を最初に書いた人にありがとう
2020年の直木賞作品。本作は犬を主役に「多聞」という名の犬が旅する中で出会う人達との6篇の短編集。東北から始まり、人に飼われながらも気づくと西の方角を見つめていて、どこかを目指していると思わせる多聞。出会う人達の人生に影響を与えながらも役目を果たすとまた旅立っていく。犬の心情を書くことは無く、あくまでも人から見た描写が逆に犬への愛情を感じる。裏テーマには東日本大震災で傷ついた人達へのエールもあり静かな感動作だった。九州での再会には心震えた。
2023/08/03
dr2006
感動した✨一匹の犬(多聞)と関わった人々の岐路を描く連作。動物が主人公の場合、擬人化して言葉を話させるのも可能でむしろ簡単だろうけど、本作の犬(多聞)は言葉を話さない。だが、不思議と犬の強い意志と人を慮る言葉が伝わってきた。勿論、犬の言葉を想像した人が独白する場面を含めてだけど⒲多聞は様々な情況にある人々と短い期間関わり、その人の人生の変転を一緒に過ごす。やがて潮時になり立ち去るのだが、それは別の明確な目的があったからだ。納得の直木賞!馳星周は初読みだったが他の作品も是非読みたい。未読の方にもお薦め。
2024/08/05
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