透明な螺旋 (文春文庫 ひ 13-14)
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透明な螺旋 (文春文庫 ひ 13-14) / 感想・レビュー
イアン
★★★★★★★★★☆湯川の出自が明らかとなるガリレオシリーズ第10弾。房総沖で男性の他殺体が発見された。間もなく身元が判明するが、同居していたはずの女性がある年配女性と共に忽然と姿を消しており…。捜査に当たる草薙や内海らが細い糸を手繰るように行き着いた先に、一人の天才物理学者の名が浮上する。事件の背後に横たわる悲しき真相とは。そこに湯川の人生はどう交錯してくるのか。東野圭吾が本作に仕込んだ最大の衝撃は湯川の生い立ちと過去作とのリンクにあるが、読み始める前にネタバレを踏んでしまったことが悔やまれてならない。
2024/09/08
KAZOO
久方ぶりの東野さんのガリレオシリーズを読みました。10作目です。このシリーズは、短編集は若干子供だまし的な感じを持っていたのですがやはり長編の方が楽しめます。今回は、親子のきずな的な話が中心で今までは出てこなかった湯川の個人的な事情も明らかになっていきます。今後も続いていくのでしょうが、湯川も教授となって雑用が増えていくような気がします。
2024/10/09
納間田 圭
教授になったので…珈琲はブルーマウンテンに格上げ。そして役職柄…科学とは無関係な人間と話す機会が多くなって忙しそう。でも…そこで得た雑多な知識がちゃんと難問解決の布石に。実に素晴らしいと眼鏡を外しながらの決め台詞…はいつもながら。今回の事件は…子供を捨てた過去を持つ母親の心理と後悔がテーマ。人形の背中に書き込んだ…赤ん坊につける予定だった名前と、VOWMという銀座の店の隠された秘密。 びっくりしたのは…ガリレオ先生のかなりセンシティブな〇〇情報が明かされてしまう。螺旋のように見えない糸が…複雑に絡み合う
2024/09/14
ま~くん
「湯川学の出生の秘密が分かる」と知人に聞かされ、それは実に面白そうと手に取った。ストーリーとしては2時間のサスペンスドラマ用に書いたのかなと思わせる程平々凡々。ガリレオシリーズの箸休め的作品という感想でした。難事件に強烈な個性を発揮して真相を解明する、そんな推理劇を期待するファンには少々物足りないかも。短篇は関係者の何気ない一言で一気に核心に迫った湯川の推理に何故かホッとした。初めて聞く用語が事件の肝になったが、その状況でそんなことが出来るのかという無理筋感は少しあったような。今後も湯川を追いかけます。
2024/11/26
Atsushi
房総沖で発見された男性の他殺死体。同棲相手の女性は失踪していた。母と子の愛と絆を描いたミステリー。ガリレオ湯川の出自と事件の真相が螺旋に絡み合う。“そういうことだったのか”。相手のことを想う嘘も優しさなのかもしれない。巻末に特別収録の短編「重命る」が嬉しいプレゼント。
2024/10/18
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