日本人と「日本病」について (文春学藝ライブラリー 雑英 12)
日本人と「日本病」について (文春学藝ライブラリー 雑英 12) / 感想・レビュー
まゆまゆ
日本人の行動規範となるものは、集団という名の人間関係にある。他方ヨーロッパでは唯一神の存在があり、常に行動規範になっている。そうなったのは、奴隷制がなかったからという一説。そう考えると、日本で宗教がなく共同体主義で、個人主義を認めようとしない社会の雰囲気を解説できるような気がする。共同体として機能しているうちは問題ないが、機能しなくなるとたちまち個人に影響を及ぼすことになるというのも納得できる。
2015/07/14
甲楽城
対談自体はもう40年近くも前のことで、高度経済成長を成し遂げ成熟期に入った当時の日本の状況と今の状況では、異なる部分も少なくありませんが、根底では今でも十分すぎるくらい通用する内容です。お二人の異なるアプローチから、日本人の深層部分の特性というか、民族性というか、そのようなもの(「日本病」なる表現もそれを言い表す言葉の1つとしてチョイスされているようにも思います)を、じっくり描き出していく様は、最近の単純な「日本人スゴイ」論に辟易する人にとっては、得るものが少なくないのではないでしょうか。
2019/08/22
Yoko Narano
日本人にとっての「個」とは何かを考えている途中で読んだ。古い対談(ジャパン・アズ・ナンバーワンの頃)なので、今とは少し違うかな?という部分もある。でも、自分や周囲を思い出してうなずく箇所も多く、日本病というのは先人たちによって分析されつくしているんだなと。分かっちゃいるのに、ですね(笑)
2015/04/22
niomoc
[★★★]自分は日本人的な規範に縛られることが嫌で、それを捨てようという意識があったが、それもちょっと幼稚な考えだったのかなと反省した。自分の行動や考えのもとになっているものをいたずらに否定するのではなく、まずはそれを自覚するところからはじめたい。
2015/03/17
ゆーいちろー
SNS以前を知っている昭和人としては、現代のSNS社会と言うものが良いものなのか、はたまた過去と比較して悪いものなのか?時として悩まされることがある。連日のように炎上だ、ネトウヨだと「ネット上で」話題になる、その話題そのものがネット以前の社会のようにある程度わたしたちに共通の、信頼に足るものなのかも判別できない。別に炎上も、ネット情報の取り扱いも日本人特有のものではあるまい。いや、ネットに限らず日常のあれやこれやに何となく違和感を感じ、そのもやもやを解決する一助になるのではないか?と本書を読んでしまう。
2019/04/26
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