遥かに照らせ
遥かに照らせ / 感想・レビュー
スターライト
表題作ほか、「トライチ」「ボドゲギャ」など〈SFアドベンチャー〉に掲載された作品を中心に6篇を収録。異世界の生物に仮託し、集団・社会の中の個人を考えさせてくれるものが多い。他人とは違う考えを「危険思想」とみなし、従来からのやり方こそ最善と考える社会を描く冒頭の「トライチ」など、今読んでも古びないどころか考えさせられるところに(おおげさにいえば)人間の精神的な停滞を感じる。人工的な記憶を植え付け、犯人に仕立て上げられる「ペジの泥沼」には背筋が凍る思いだった。
2024/11/01
感想・レビューをもっと見る