スリランカの悪魔祓い: イメージと癒しのコスモロジー
スリランカの悪魔祓い: イメージと癒しのコスモロジー / 感想・レビュー
海恵 ふきる
友達が読んだと言っていたので興味が湧いた。とてもおもしろく読んだ。「悪魔祓い」と聞くとうさんくさいイメージが先行するが、本書ではそれが人間を癒す上であまりによくできた文化であることが、極めて論理的に説明されている。筆者がスリランカで経験した実体験も交えながら、親しみやすく巧みに文章が展開される。スリランカの悪魔祓いは、儀式の最後に悪魔が患者を笑わせて去るのが特徴的な点らしい。西洋の悪魔祓いは悪魔に自身の名前を言わせるが、それはいったいどういうメカニズムの結果なのか?読後個人的に抱いた疑問だ。
2019/11/07
翡翠
大学の時に文化人類学の授業を受けたが、この本を読んで初めてこの学問の底力を感じた。よくある眉唾の悪魔祓い本をイメージしていただけに、この裏切られかたは、快感だ。そして文化人類学の範疇を超えて社会的癒やしを論じていく。非常に面白かった。
2021/07/11
けん
★3.0
2022/05/22
yoshi
悪魔祓い=みんなで踊って笑って悪魔を追っ払うというイメージ療法。病んでいる人に仏陀の正しさ(言葉、記号的なもの)をぶつけても恢復しなくて、要するにみんなで囲んでパーっとやるのが一番!というのは面白いし、本書の言うように理にかなっているかも。民俗仏教の悪魔は西洋的な悪魔ではなく、人間に近い存在。だから悪魔を受け入れことができるし、追い出すこともできる。日本のうつ病や引きこもりを減らすヒントにもなる本だと思った。
2014/09/27
えるにお
おもしろかった。悪魔祓いを単に文化人類学という枠だけで解釈するのではなく、そこから医学等を絡めて現代の問題を解決する糸口へと昇華していくのは圧巻だった。
2014/02/17
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