旅のラゴス (徳間文庫 つ 3-8)
旅のラゴス (徳間文庫 つ 3-8) / 感想・レビュー
nakanaka
期待以上の面白さだった。 高度な文明を持っていたものの機械等を直す術を持たなかったために原始的な生活に逆戻りしてしまった世界で、一生をかけて旅を続けるラゴスの話。高度な文明から原始的へという急激な変化に対応するためなのか人々は様々な超能力を持つようになる。独特な世界観だが引き込まれる何かがある。先祖たちが残した書物を読むことを旅の目的とし、その達成により人々に多大な良い影響を与えていくという展開が痛快だった。ラゴスだけではなく彼を取り巻く女性たちが魅力的なことも印象的だった。
2020/11/05
jima
なんか不思議な余韻が残る本。異空間の世界だが、旅に出てそれなりに成長して帰ってくる。それが大きな盛り上がりもなく進んでいく。
2015/10/27
きのぴ
図書館で何ヶ月も待ったけど、受け取る時に見慣れた表紙じゃないことに軽い衝撃(笑)見慣れた表紙の方は新潮文庫だったのね。本屋で男性に読まれた本1位として置かれていたけど、確かに女性より男性が好みそうな話だな~と思った。面白くなかったわけではないけど、評判ほど良いとも思わなかったな~。そもそもSFにあまり興味がないのもあると思うけど。筒井康隆さんは難しそうなイメージがあったけど、そこは問題なく読めたので他の作品も挑戦してみたい。
2016/06/04
となりびと
久々に筒井作品。同い年くらいの作品だけど、古さを感じないのは内容がSFだからかな。旅人・ラゴスが様々な土地を訪れ、人と出逢いながら、自身の知的探求心に従った旅の記録。そして、彼のその視線は常に未来に向けられていた。奴隷の時も旧い文献に没頭するときも愛する人に出逢っても。自分のことだけを考えているのではなく、歴史の一部として役割を果たす人生。長い旅の最期には自身の思いも遂げられただろうか。
2016/08/29
togemaruko
たった一人で旅に出たラゴスが、様々な人との出会いと別れを繰り返し、沢山の本を読み、奴隷になったかと思うと、国王になったり…波乱万丈の旅の短編連作です。SFをあまり読まない私が、物語に引きつけられて最後まで夢中になって読みました。ラゴスの旅、それは人の生涯そのものを表しているように思えます。自分自身が成長するために、ラゴスは果てしない旅を続けたのでしょう。最後の旅は、死を覚悟しながらも、かつて恋したデーデに会いたいと願う旅。余韻を残すラストは希望に満ちていました。
2015/10/13
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