みんな黙れ 地の章 (徳間文庫 418-8)
みんな黙れ 地の章 (徳間文庫 418-8) / 感想・レビュー
まつうら
クライマックスの株主総会を巡って、下巻では権謀術策が渦を巻く。敵陣営を封じ込めようと、ヤクザを使った暴行沙汰が起こるが、ここでまた著者のおもしろい蘊蓄が披露される。ヤクザに脅されたとき、「怖い、怖い」と声に出していう人ほど、脅す側にとって手に負えないものはないのだそう。当時はまだ街中で罵声をあげるヤクザも散見されたころで、トップ記者上がりの博識ぶりを伺わせる。ラストの株主総会は藤田伝次郎の独壇場となるが、ここは予定調和な感じでちょっと物足りない。もうひとひねり、梶山節を唸らせてもよかったのかも?
2023/04/20
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