ある補充兵の戦い (徳間文庫 461-1)
ある補充兵の戦い (徳間文庫 461-1) / 感想・レビュー
モリータ
◆大岡昇平の出征から復員までの足跡を記す短篇を集めたもの(ただし、捕虜となって以降の話は「捉まるまで」を除き収録されていないので『俘虜記』を参照する必要。◆山中敗走の様子や緊迫感ある歩哨の場面など、危ない状況であるのに、描写には静かさと可笑しみがある。「野火」の原風景もそこここに。「わが復員」の軽やかさもよい。◆大岡昇平も神戸にゆかりのある作家であることに思い当たらなかった。新京阪(今の阪急)の西灘駅(今の王子公園駅)の北、摩耶山の麓に住んでいたらしい。
2019/06/25
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