ぼくの小さな祖国 (徳間文庫 く 6-9)
ぼくの小さな祖国 (徳間文庫 く 6-9) / 感想・レビュー
マムみかん(*感想記入少なめです*)
面白かった~!! でも、それだけではなく、祖国である日本から棄てられたも同然の、南米移民たちの艱難辛苦の歴史に衝撃を受けました。 垣根涼介さんの『ワイルド・ソウル』でも強く感じましたが、あまりにもあまりにも酷すぎます…(泣)。 カルメンの開拓地に視察でやって来た日本の役人の態度や、ジョンの荷物扱いされた船旅の描写には怒りしかないですね!! パラグアイがモデルのような小国を「ぼくの祖国」と信じて、革命の為に奔走した3人の日系人。 ラストがなんとも…現実的でした(泣)。
2015/03/20
さんつきくん
「小さな祖国」はパラグアイをさすのでしょうね。どこまでがフィクションかは解らないけれども。主人公は南米を旅している日本の小説家(著者?)。地元の日系人から聞いた話を現状と交えて記されている。この小国の政変に絡み、国の金を持ち出して、ある取引を行う日系人のロドリゲス西村大佐。ブラジルを舞台に西村は取引を成立させることができるのか。物を祖国に持ち帰ることがだきたのか。入植した日系人の過酷な描写にいたたまれなさを感じる。一番はロドリゲス西村の先祖が明治期に日本からペルーに移民としてやって来た話が興味深かった。
2022/01/15
がんぞ
小堺昭三『大悪党伝』1984にも、南米移民の奴隷的使役、野獣・昆虫・猛魚などの過酷な動物環境、ときに急変する自然環境、農園を持つと強盗の脅威、「銀行」は取り立てに容赦ない、近親相姦してまで子を成す、など描かれたが、政治も当然、軍事政権で、兵士の鍛練、心服度もさることながら、兵器の調達が権力の鍵!横流し!単純な道中物と思いきや最後にアッと驚くヒネリがある。題名にあるように小さな国でも内部にはバランスを保つ厳しい対立があり、トップに立つ人物はそれなりに一筋縄ではいかない(見かけ通りとは限らない)ということか。
2012/05/01
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