天山を越えて (徳間文庫 く 6-10)
天山を越えて (徳間文庫 く 6-10) / 感想・レビュー
HoneyBear
三人が書いた西域の手記が繋がってすごい冒険譚が紡がれる。支那事変前の時代を背景に、三者三様の人生が日米ソの国家の思惑に翻弄されつつ交錯する。Wikipediaを見ると馬子才、盛世才、金樹仁などは実在の人物だと知る。はらはらドキドキの冒険行を盛り込んでいるわけではないのに、それぞれの手記が淡々とした語り口で読者を未知の西域の沙漠の世界へと引き込んでいく。そして何十年も後にそれらが繋がり、老いてからの邂逅とほろ苦いロマンスへと収斂していく。読後の余韻も良い。すごい構想力の怪作だ。
2017/03/18
てぃと
胡桃沢耕史氏の往年の冒険小説を古本で手に入れました。胡桃沢氏といえば「翔んでる警視」シリーズが有名ですが、旧満州や西域を舞台をにした冒険モノもやっぱりピカイチです!さすが筆者が『昭和の拓大OBならでは!』といった内容ですね。波乱万丈、奇想天外のストーリー、面白いですヨ!
2016/12/06
R2
夢中になって読んだ本。まさか、中国を舞台に世界対戦の因果関係があったとは。しかも、一人の女性が国と国の架け橋、いや犠牲になってるなんて。裏事情は結果を知っている現代からみると最悪だけど、当時はそれが正しいと思われていた。と、ここまでは戦時中の話かと思いきや、主な話はタクラマカン砂漠の中での、人間が過酷な環境の中、命に固執した話。とっても人間臭く、そしてユリがとても強く美しい。第二章はカラコルム山脈の越冬と砂漠の民の厳しさに圧倒。そして第三章でみるポグダウラを観たときは感動。自然の中に生きる人間に只々脱帽。
2020/04/02
裏庭には三羽
西域に興味があったので、面白く読めた。由利が思い出深い地を終の住処にした気持ちはよくわかるなあ。
2016/12/20
東森久利斗
冒険譚に変化球はいらない。
2015/07/02
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