話の話 (アニメージュ文庫 F- 6)
話の話 (アニメージュ文庫 F- 6) / 感想・レビュー
はる
ロシア古話に生きる狼の子どもが時代と共に移り行くロシアを語る。変わるといっても変わらない心の視線があると言っているような、勝手にそんな気がした(文化というものの深さ厚さ重層さかしら)。 ストップモーションアニメの素晴らしさは工場生産できないところ(ダビングは別だけど)ストップとストップの襞に何かが語られている予感。たぶん作者たちは息を止めるのだろう。いろんな手法があるけどノルシュテインの映像は素敵だ。それを紹介してくれた高畑さんのこの本は希少貴い。
戸田健太朗
ノルシュテインの『話の話』は短いながら難解なアニメだ。日本が誇るアニメーターの高畑勲がその解説に挑んでいる。日本人には中々理解しがたい文脈や、歴史的背景をほぼ完璧に説明してくれていて、たいへん参考になる。ロシア語がわからない段階から、冒頭の子守唄の意味を推測していき、翻訳してみると果たして高畑勲の推測は見事に正解。推理小説でも読んでいるかのようなカタルシス。それはともかくとして『話の話』を観賞する副読本としては必須のものだろう。アニメ自体は今では無料動画などで観賞可能だ。よい時代になったものである。
2014/02/23
ビッチュウ
ノルシュテインの『話の話』を高畑勲が解説する本書。魅力的ではあるが、難解だった『話の話』の意味と解釈が載せられている。ノルシュテインの作品が“ 映像詩 ”と呼ばれる理由が、実際の映像を文章で説明し追って語られる。いかんせん当時観る機会が非常に少ない為読者が未見なのを想定し、映像の画像が前半を占め、解説も順次どのような場面かを説明記述してから書かれるため少々まどろっこしくなっている。しかし、ノルシュテイン本人にも会いに行った高畑氏の解説は一読の価値有り。現在の高畑氏の映像表現への影響が大きい作品ではないか。
2013/12/30
わとそん
おもしろい
2010/01/06
感想・レビューをもっと見る