小説 天空の城ラピュタ〈前篇〉 (アニメージュ文庫)
小説 天空の城ラピュタ〈前篇〉 (アニメージュ文庫) / 感想・レビュー
やすらぎ
亡くなった父や母への思い出の場所を去るシータは、たったひとつの形見も取り上げられてしまう。映像の初見では把握出来なかった描写も記された、説明不要の有名な物語。さようなら。離ればなれにならざるを得ない、望まない別れのとき。首元の飛行石が嘆いている。また滅びを繰り返すのかと。その力は人を幸せにもするが不幸を招くこともある。40秒で仕度しな。ドーラの機を逃さない声にパズーは地下室へ駆け降りていく。もう一度会うために。長く続いた平穏が消え去った今、封印した絶望の言葉が、文明も人間の心も滅ぼしてしまうのか。後編へ。
2024/02/15
ちはや@灯れ松明の火
「親方、空から女の子が」谷間の家とわずかな家畜、亡き母が遺したものがそれだけだったら、こんな日が訪れることはなかった。絶え間ない労働と廃れていく鉱山の気配、それでも亡き父が遺した夢があるから、いつかはその日が訪れると信じていた。天空から降りた少女と天空を目指す少年、お宝を狙う海賊一味と野望を抱いた特務機関、動線が入り乱れ交わる中心には涙型の飛行石。この日が、幕を開ける。前からは敵、後ろからも敵、パンとリンゴとアメ玉をカバンに詰め込んだ逃避行。離別、敵の敵は時には味方、誓うリベンジ。「四十秒で支度しな!」
2013/08/27
chimako
「40秒で支度しな!」 パズーはシータを助けにドーラの船に乗る。 後篇へ!
2015/03/02
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
映画「天空の城ラピュタ」の小説版。世界の謎にかかわる運命を背負った少女との出会いを通じ、少年が大冒険にいざなわれていくというストーリーは、少年期の自分の憧れそのものであるだけに、幾度となく映画版を見ているにもかかわらずドキドキワクワクさせられる。さらには、映画では描かれなかった背景や、小説ならではの心理描写を描きこむことで物語が掘り下げられており、ファンならずとも楽しめる読み物になっている。できれば前後篇でなく一冊にまとめてほしかったが、その分、たっぷりのカラーイラストもあり、個人的には満足の一冊だった。
2013/11/19
Yu。
映像と比べてしまうのは至極当然。。ムスカに捕われたシータを狙うドーラ一家の計画失敗からのシータとパズーの出逢いで始まる映画版に比べ、そのシーンまではまだまだ先という財政的に逼迫したスラッグ渓谷に住む民の表情から始まる小説版。。そこを除けばさほど大きな違いはなく、細かな部分であれやこれやと小説ならではの良さが愉しめて満足。‥でラストは再びムスカに捕われたシータを助ける為、ドーラ一家と手を組む事となったパズーの決死の覚悟が覗けるところでいざ後篇へ!。‥あっ、そうそう 全体を表すイラスト付きというのは嬉しい。
2017/01/15
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