風神秘抄 下 (トクマノベルズEdge)
風神秘抄 下 (トクマノベルズEdge) / 感想・レビュー
きむこ
萩原さんは日本の神話や歴史を舞台にしたものがしっくりくる。今回は平安時代末期。勾玉三部作よりも時代の知識があったので想像しやすかった。鳥彦王がまるで三谷作品みたいに時代モノにもかかわらず現代感覚で喋っちゃうから、悪く言えば空気がぶち壊れ、よく言えばとてもいいスパイスになって読みやすくしてくれた。 鳥彦王は上巻からお気に入りだったけどほんといい奴。これは糸世と草十郎のお話なんだけど下巻は草十郎と鳥彦王の友情物語に近い。結末がわかっていながらもあえて草十郎の行きたい道に送り出した鳥彦王にほろり。
2015/04/03
いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】
*巫女舞(巫女神楽)*時は平安末期。源氏方の16歳の武者、草十郎は、野山で一人笛を吹くことが好きな孤独な少年だった。そんな彼が亡き君主のために魂鎮めの舞を舞う少女、糸世(いとせ)と出会った時、運命の扉は静かに開くのだった…!?(紹介文・他より)――文句なしの素晴らしい作品でした!個人的に本作は、勾玉は登場しなくても薄紅天女に継ぐ〈勾玉〉シリーズ4作目なのでは?…と、思っています。 ⇒続き
2014/02/12
ヒロ@いつも心に太陽を!
鳥彦王が大好きだ!}(´□`*)これは草十と糸世の恋の物語であると同時に鳥彦王と草十との友情と彼らの成長の物語であり私にはこちらの一面の方がより心に残った。鳥彦王と草十とのかけあいに笑い、ところどころで泣いた。最後はハッピーエンドにも関わらず、草十郎と鳥彦王の別れは思い出すだけで胸が少し痛む。大切なものを得るために失った代償は得たものと同じくらい大きい。でもこれからを二人で生きることを選んだ草十と糸世はきっと幸せになれるだろうし、鳥彦王もきっとどこかからずっと彼らを見守り続けているに違いない。
2012/05/10
雪守
ノベルスにて再読。長寿の舞の途中で忽然と姿を消した糸世を取り戻す方法を求め、草十郎は各地を旅する…。最後の設定にちょっとだけガクッとなるけどやっぱり大好きです。得た力を使い権力を求めることよりも大切な人を助けるために全てを賭けることにためらいがない姿が心地いい。あとがきの鳥彦王が真の主人公だというのは確かに納得。彼の見守りと導きがなしにこの物語は語れません。これからは三羽の姫に振り回されながらも、草十郎と糸世を見守り続けていく姿が目に浮かびます。
2011/08/23
さなだ
草十と鳥彦王の友情が好きです。六年振りに読み返して強く思いました。 草十の成長っぷりもよかった。鳥彦王のお嫁さんは誰になるのか気になるところ。 失ったものは大きいけれど、草十と糸世は幸せになってほしい。そしてそんな二人を、鳥彦王は見守っていると良いです。
2011/06/22
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