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両手のなかの海

両手のなかの海

両手のなかの海

作家
西田俊也
出版社
徳間書店
発売日
1997-03-01
ISBN
9784198606732
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両手のなかの海 / 感想・レビュー

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mocha

4年前に失踪した父が、ド派手なおばさんになって帰ってきた!コミカルな話かと思っていたら、しっかり考えさせられる内容だった。名門校に通っていても、一流企業に就職しても、未来のことはわからない。20年前の作品だけど、性的マイノリティに対する世間の思いがそう変わったとも思えない。この父をマツコに変換したら「それもありかも」とは思うけど。最後、胸糞悪い先生に天誅を下してほしかったな。

2017/05/24

☆よいこ

YA。ちょっと古めのLGBT本。4年前失踪した父が帰ってきた。母親は仕事で4週間の函館出張中。4年前中学受験に失敗した一海(かずみ)は、父親のような負け犬になりたくないと必死に勉強し高校は有名進学校に通っている。久々に帰ってきた父親は、いわゆる「オカマ」姿だった。以前の姿からは想像もできない父親の姿に一海は驚愕し、怒り、反発する。噂好きな友人にも振り回され、一海は勉強に身が入らなくなった。▽「わたしはわたしよ!」と達観したお父さんの生き方がまぶしい。かっこいいです。

2021/05/14

ぽけっとももんが

装丁は児童書そのものである。背表紙の書体などはいかにもこども向け。でも主人公は大人びた高校生だし、活字も小さめだし、テーマもかなり重い。誰に読ませたいのかわからない。見るとその後改題されている。さて、失職して失踪した父親が、女性になって帰ってくる。しかも母親の長期出張中に。名門高校に通う一海の日々の鬱屈と、今よりもっと偏見の強かったであろう20世紀の、心のままに生きると決意した父親との葛藤。20年前だもんなぁ。ただ、ラストは結局うやむや。まるでメルヘンのように終わらせたのはもったいない。

2016/02/19

オバマ

子供達にも読んでもらいたいと思って残してあったこの本。大分後回しにされましたが、やっと2人とも読んでくれたので私も20年ぶりに手に取ることに。リストラされて失踪した父親が、4年後オカマになって(オカマって最近使わないね)家に戻って来た!という話。思春期特有の大きなプレッシャーに潰されそうな一海に、"自分は自分"であることを教える父親。本はいつ読んでもいいけど、やはりその時その時で読んでおいたら人生の指針になる作品というのはあるはず。それをしないまま、ただ悶々と過ごしてしまった自分を後悔する日々。

2017/05/05

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