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紙婚式

紙婚式

紙婚式

作家
山本文緒
出版社
徳間書店
発売日
1998-10-01
ISBN
9784198609207
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紙婚式 / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

作者さんが逝去されて、ぼちぼちと改めて読んでみたくなり、手にとりました。あらゆる立場や環境下にある恋愛関係のお話で8編おさめられており、改めて作者さんの手腕の素晴らしさを感じるコトができるとともに、やはり本当に惜しい方が亡くなったんだなぁと痛感します。夫婦のカタチは本当に人それぞれで、正しい姿、カタチなんてものはある意味ないのかもしれませんね。どの話もどこかちょっと切なく、ちょっとスカッとする話で不思議な読後感が残ります。作品によってはホラーレベルなコワさもあり、ちょっと油断してるグサッときちゃいますね。

2021/12/05

nico🐬波待ち中

様々な夫婦の内面をグイグイ抉った8編の短編集。読んでいて夫婦関係の難しさに息苦しくなった。夫婦と言っても所詮は他人。血の繋がりもなければ育った環境も異なるし、モノの好みも考え方もそれぞれ。たった一枚の紙切れで繋がった関係だ。関係を続けていくことの難しさ。断ち切ってしまえれば楽なんだろうけど、簡単に切ることができない厄介さ。そんな夫婦関係の不思議さ可笑しさを冷静に見つめる山本さんにニヤリとなる。この短編集のタイトル”紙婚”式に、夫婦を繋ぎ止める”一枚の紙切れ”の重さを思い知った。たかが紙切れ、されど紙切れ。

2021/11/02

taiko

若く子供のいない夫婦達の短編集。どれもどこか歪んだ男女の話。 でも何となく既視感のあるような、実はどこにでもあるのかもと思わされる話でした。 どの話も最終的に結末は濁されているので、少しモヤモヤが残ります。が仕方ないのかも。 嫁の親とと同じマンションに住む夫を描く『ますお』が怖い。 銀婚式を越えた自分に置き換えると、夫婦はもう愛だの恋だのではなく情が全てなのですが、一生添いとげるものだと思っているので、もしも夫の心に闇があったら嫌だなと考えてしまいました。 多分ないとは思うけど、大丈夫ですよね^^;

2020/02/04

b☆h

著者三作目。新しい作品を読めないことを、改めて残念に思う。8組のカップルの関係は、一見穏やかなようでぎりぎりだ。まさしく「紙」のようで、頼りないもの。夫婦は「他人」だと、突き付けられた気がした。どの話からも、例え何十年経っても相手の心は、知ろうとしなければ分かるはずないんだというメッセージを感じた。男は結婚しても変わらないことを望み、女は結婚によって変わることを望むことが多いように思う。その違いが、すれ違いを生み出してしまうのだろう、と。一番近い他人と暮らすことは、大変だが、それでいいんだとも思える。

2022/06/21

クリママ

表題作含む8編の短編。新婚ではなくなったころの夫婦。共感できる状況とは違うものの、すんなり入ってくる。わかりやすい文章。ずっと心に押し込めていたものの、それがふと崩壊する。ラストは暗いが、1編だけ明るい未来が見え、やはりそういう結末と言うのはほっとするものなのだと再認識。

2018/04/08

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