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神田堀八つ下がり: 河岸の夕映え

神田堀八つ下がり: 河岸の夕映え

神田堀八つ下がり: 河岸の夕映え

作家
宇江佐真理
出版社
徳間書店
発売日
2003-02-01
ISBN
9784198616403
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神田堀八つ下がり: 河岸の夕映え / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

水は心を素直にさせる。喜び、哀しみ、口惜しさ、怒り。全てを映し、受け入れ、流れゆく川。ほろりほんわか人情譚。父が死に母と番頭の卯之助、弟の民次と暮らす事になったおちえ。 仕舞屋での暮らしはうんざりするものだったが、舟宿川藤の息子・勘次に声をかけられてまんざらでもない。しかし勘次の母は《どやの嬶》と異名を持つ女傑だった。「どやの嬶 御厩河岸」 小普請組の三土路保胤は一中節を習っていた。巷では都々逸が流行し、保胤は都々逸の名手・扇歌と歌比べをすることになった。「浮かれ節 へっつい河岸」

2003/04/20

山内正

小普請組三土路はおさらい会に 黒髪を唄う 都々逸っての知ってるかと聞かれる 長女が親の為にと屋敷奉公に出ると 嫁が実家で遣りますからと口を挟む お前も親に甘えるなと背を向ける 即興で唄う扇歌とは一体?と 一度聞いて三土路は圧倒された 急に小普請の勤が同じ日に 長女は座興でやればと言った後 父上ぎゅっとしてとせがむ 安心すると 増上寺の屋根普請に立会う 藩士が気を緩め国の唄を口ずさむ 急ぎ帰り先の唄を聞く 題目を唄い続けた 最後に 黒髪を乾いた声で扇歌と競う 三土路の黒髪が最後まで人の耳に残った

2020/07/01

山内正

ガタつく戸を上げてふんと息をする お幾が店から帰る 勘当された身で暮してる旬助 帰ってすぐお前末広屋継ぐのかぇ なんで三枝屋に戻るの? 一緒に来るか 末広屋はどうする? 店に姉が 戻るのなら身の周り始末しておいでと 主もあの女は駄目さ 足を引くよと 男がいたって話だと お幾どうなのさ 男いたのかぇ 嫌だ旬さん行かないでよと泣き叫ぶ 無理矢理離して店に帰る あの女はようと友の清蔵は良かったと話す時幾が匕首を持ち突当たった ガタついた戸を持ち上げて引く たった半年しか居なかったこの長屋 どうして懐かしいんだ!

2020/08/18

山内正

津軽から荷を預かったと四十近くの男が包を届けた 米、煎豆、塩、沢庵、干餅 柳平は 軒下に吊した景色を目に浮かべた なぁに弟もいるし柳平に学問をと 言って江戸に行かせた 国元から北方警備の為再び江戸に 弟から姉っちゃは親父の借金の為 嫁に行ったと聞く 知らなかった 手紙が届く 来年江戸に行くと 弟の娘が逃げた女房から来た 面倒見なければと同居さすことに 明けて家に甲高い声が 姉っちゃ とうとう来てしまったで ずっと待ってだはんで! ついぞ使った事のなかった国訛りが

2020/08/11

山内正

神田の火事で奉公人と父親を亡くし 浅草外れに越して来たおちえ 三日には卯之助は店を出す段取りを どうして運がないのかと思う 船宿の内儀お富士を初めて見た時 びっくりした凄い人だと 六人のうち実の子は一人後は拾い子 旦那は中気で倒れ呂律が回らない 夜に母の声が聞こえる お嫁にやろうかと 自分では決められないぼんやりなのかと 湯屋の帰りに息子勘次と出会い 嫁に来ないかと話し出す 何を作ってるの?と父親に聞く ツマヨウリラ!爪楊枝だよと勘次が 卯之助はおちえを心配する おっかさんお願いね 下を向き涙を流す

2020/05/23

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