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楽園の眠り

楽園の眠り

楽園の眠り

作家
馳星周
出版社
徳間書店
発売日
2005-09-21
ISBN
9784198620639
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楽園の眠り / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

裏表紙の惹句に「馳ノワールが深化した!」とあるのだが、初期の作品ー例えば『不夜城』などーでは新宿の夜の裏社会の持つ非情さが、まさしくノワールを構成していた。すなわち、主人公たちはそうした世界に放り込まれていたのである。一方、本書では外の世界は変わらずに日常を刻み続けている。ひとえに伸や奈緒子の内面世界が自己崩壊をきたしているのである。この外から内への作家の視点の変容は「深化」と言えば言えなくもない。そして、息もつかせぬサスペンス性は相変わらず健在である。にもかかわらず、物足りなさが残ることもまた否めない。

2021/06/04

k5

馳星周月間④。児童虐待がテーマの誘拐もの、という感じで読みやすいのですが、虐待をしている刑事に感情移入できないのはもちろん、攫う側もそんなに魅力的でないので、没入するのはしんどいものがあります。作中人物のう友定のみが捜査能力があってほぼ無敵ですし。

2022/09/19

そうたそ

★★★★☆ 我が子を虐待してしまう刑事。一方、父親に虐待を受けることを恐れ家を出るもろくな男に出会わず孤独に沈む女子高生。女子高生と刑事の息子がたまたま出会ったことから逃避行がはじまる――。幼児虐待という社会問題を普段の作品の中に入れ込んできたのが新しいところ。普通の作家ならこのストーリーを虐待からの解放とでもいうようなハードながらも結末に希望の光が見えるストーリーにするのだが、馳作品はそうなるわけもなく、徹底的に人間の弱さや汚さが見せつけられる。でも虐待の現実はむしろこれに近いのかもしれないなあ。

2018/01/11

わむう

この一つ前に読んだ「少年と犬」からの振り幅がすごい。妻に捨てられ5歳の雄介と二人で暮らしている刑事の友定。雄介のことを愛しているのに虐待することをやめられない。父親に暴力を受けて育った妙子は夜の街を彷徨う雄介を見つけ保護する。彼に体に無数の傷痕があることを知り守ろうと決意する。虐待が明るみになると困る友定は有給を取り一人で雄介を取り戻そうとする。お互いの心理戦が面白かったです。ですがまともな登場人物がおらず、暗いラスト。この先、雄介はどんな大人になってしまうんでしょう。

2022/05/01

ちゃさち

子供を虐待する刑事と女子高生。刑事がとんでもないクズな男だった。女子高生が刑事のの子供のママになりたいために、刑事と対決していき知人に力を借りる。刑事は出会い系で知り合った女と子供が誘拐されてるのに関係を持つ。最後はとてもかわいそうでした。刑事が父親になってはいけないと理解して子供を連れ戻す。けれど女子高生は知人を殺してしまう。刑事は出会い系の女と再婚したけれど、その女に子供は虐待されてしまい心を壊してしまう。とても酷いお話でした。

2017/10/08

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