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揚羽蝶

揚羽蝶

揚羽蝶

作家
泡坂妻夫
出版社
徳間書店
発売日
2006-11-01
ISBN
9784198622510
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揚羽蝶 / 感想・レビュー

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としえ

表装に惹かれて手にとった本。着物に紋を描き入れる紋章上絵師の話が四話と、奇術師の話が三話、人情物が一話の、短編八話。短編だから、良くも悪くもさらっと読めてしまうのだが、じっくり読むとじんわり染み入るような話も多かった。精神感応術、おじいちゃんのシンブル、コロスケの貯金箱の話も良かったが、表題が一番良かった。こうした職人の話は好きだ。家紋を見るのは好きだが、自分の実家の紋を知らないので今度お墓参りの時に見てみよう。

2017/02/14

メイ&まー

初めて読む作家さん。短編集だったからか、ちょっと薄味な印象。おじさまのロマンが詰められている感じ。最初数編が「紋」のお話だったのでずっとそのモチーフかと思ったら、そのあと奇術の話が数編、そして最後はまたまったく別の一編。好きなのは・・・うーん「テレパシー」かなあ。ちょっときれいにオチすぎてるけど。同じモチーフのお話群はそれぞれリンクしてたりしてなかったり、その割に同じ説明が繰り返されたり。そのあたりがちょっと、お話がぼやけて飽きてしまったゆえんかも。。今度は代表作を手に取ってみようか。

2014/11/11

田中寛一

曾孫の熨斗目のために病院から帰宅し、事故で不自由になった右手に代えて左手で家紋の揚羽蝶を描く紋章上絵師の姿を思うと、胸が熱くなる。短編の中で、家紋は大切に受け継がれていくが、時には家紋の合体とか変更も行われ、数多いことを知り意外であった。「精神感応術(テレパシー)」では能力者と助手が暗号をもとに答えるというのに納得。久しぶりにあった時にそれを持ち出して、昔の恋人は今幸せだと答えるシーンはなかなかよかった。もっと紋章上絵師の姿を掘り下げて描いて欲しかった。

2013/12/26

takaC

初読み。泡坂さんらしさの滲む短編集。

2011/11/07

真理そら

8編からなる短編集。昭和の紋章上絵師の話4編、マジックの話3編。家紋の歴史や知識などの薀蓄が楽しい。自分の紋は好きなのだが、和服を着るチャンスは結婚式と葬式しかないし、最近はそれも洋服なので家紋を見る機会がないなあ、と反省した。紋入り風呂敷も持っているけれど、風呂敷を使うチャンスがない。上絵とマジックは手先の器用さという共通点があるのかな。泡坂氏は美しい指先を持つ人なのだろう、と想像を逞しくする不器用な読者なのである。

2017/12/26

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