新・雨月上 戊辰戦役朧夜話
新・雨月上 戊辰戦役朧夜話 / 感想・レビュー
KAZOO
船戸さんの作品は、最近満州国演義ばかりを読んでいたのでこのような本があったのは今まで知りませんでした。読メのおかげですね。ある意味満州国演義の直前の話で、戊辰戦争とは言いながらも鳥羽伏見の戦いから始まります。長州藩のスパイ、長岡藩の河井継之助にかたいれするもと賭博と会津藩家老の三者の視点からこの時代を見て物語を語っているのは新鮮な感じです。
2016/08/02
藤枝梅安
慶応4年。薩長連合軍が北上し、奥羽・越後の各藩が互いの動きを牽制し合いながら趨勢を探ろうとしている。長州藩の木戸孝允の部下・物部春介、会津藩士・奥垣右近、長岡藩家老・河井継之助に心酔した博徒あがりの布袋の寅蔵。この3人の視点で物語が絡みながら進展していく。武士の動きよりもむしろ農民・町民の動きを描きながら、「戊辰戦争」は各地での局地戦の総称だったことがよくわかる。各藩が藩の存続を図った1年間だったことがわかる。戊辰戦争で時代は「明治」になるが、その後、さらに内戦が続くのだ。
2010/12/18
☆エンジェルよじ☆
戊辰戦争が題材になっているので興味を持った。「燃えよ、剣」で函館での戦闘、「峠」で河井継之助の奮闘ぶりを読んでいたが町人や元博徒の視線で書かれているせいか読みやすい。結果がわかっているので下巻を読むのが辛い。白虎隊の事も下巻には触れられているのかな。白虎隊について書かれた歴史、時代小説はないんだろうか。
2011/01/24
しーふぉ
歴史の大きな流れは変えられない歴史小説の中で、一般人に近い立場の人を描くことで独自性を上手く出していると感じた。
2016/07/09
takehiro
戊辰戦争の奥羽越での戦い。大局的なことはおいといて、この手の戦争の話では、巻き込まれる一般人が本当に悲惨・・。終盤の春介の台詞「こういうときはいつもだれかが貧乏籤を引く。その貧乏籤をおまえが引いた。それだけのことだ。諦めるしかない」いやいやそんな一言で片付けないでよと、一般人のワタシは思ってしまいました。
2023/08/07
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