ゆきずりエマノン
ゆきずりエマノン / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
表紙の鶴田謙二氏のエマノンのイラストが素晴らしい。長い髪とそばかす、大きな瞳が印象的な美しい少女。エマノンは生命が誕生してからのすべての記憶を、自分の中に抱え込んでいるのだ。エマノンが出てくる小説は、SF的な壮大なスケールと恋愛のようなリリカルなテーマを組み合わせたところに特長がある。地球上の生物の進化からみると、人間の恋は些細なものだ。それでもそういった恋が、この地球の生命の行く末に影響を与えると言う物語にはロマンを感じるし、SFの醍醐味センス・オブ・ワンダーを感じることができる。
2015/06/11
いちろく
地球に生命が誕生してから現在までの全てを記憶している女性エマノンの物語の5巻目。今回は00年代後半から10年代はじめに発表された短編が収録された内容。シリーズを通じて、地球の行く末を見守る様なエマノンの描かれ方もあり、社会情勢や環境問題、史実を元にした内容も少なくない。 2巻目以降、久々の短編でしたが中編と比べて内容が濃い印象。SF的な意味でも色々な作風が楽しめるので、このシリーズは短編の方が好み。
2018/06/26
Tadashi_N
内なる声に耳を傾けて、運命の時や人を待つ。良い読後感。
2018/06/14
くみ
エマノン短編集。どれもエマノンよりもゲストに焦点を置く。1番好きなのは「おもいでレガシー」香澄ちゃんが草刈りに精をだしているシーンが大好き。青空と汗と血液の循環から肉体的、精神的な開放感。草の香りがするような清々しさだった。彼女が彼女らしさを取り戻し幸せを感じさせるラストにこちらも嬉しくなった。 しかし、欲を言えば、もっとエマノン中心の話も読んでみたい。私が彼女の魅力を半分も理解できていないと思うから。
2018/07/07
kochi
失業した研一は再就職活動もうまくいかず、環境を変えようと突然韓国旅行を思いつく。旅の途中、不思議な女性と出会い行動を共にするが、やがてその女性エマノンに導かれ、千年以上も続くある約束と相対することに(「いにしえウィアム」)。日韓の悲しい歴史に対するカジシン流の答えかな?地球の生命の記憶を連綿と伝える器としての宿命を背負う女性であるエマノンの旅と出会いのシリーズ。大好きなシリーズなせいか、読んだかどうかも定かでなく、エマノンの記憶力がうらやましいf^_^;
2015/12/08
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