ほそ道密命行
ほそ道密命行 / 感想・レビュー
藤枝梅安
芭蕉の奥羽行は、密命を帯びていた、という説を土台とした歴史ミステリー。柳沢保明と水戸光圀の主導権争いに神道勢力が加わった三つ巴の騙しあい。登場人物がそれぞれ正体を偽り、本音を隠し、相手がぼろを出すのを待つ道中。登場人物すべてを使って、作者が読者を騙すという趣向が面白い。読者も緊張を強いられる小説でした。芭蕉の訪れた土地の名物とか名勝を採りあげてくれていたら、もう少し楽しんで読み進めたんじゃないかな。最後は「松島や ああ松島や 松島や」で終わると思っていたのだが、その予想も外された(笑)。
2014/06/10
カザリ
出だしの陰謀合戦ははらはらして楽しかった。。ただ、なんていうか芭蕉のそーご、という呼び方は女性作家ならではだなあと、思った。くすぐったいというか、きもいというか、、じぶんもやりそうですな。笑。歴史背景が私の知識不足でいまいちよくつかめなかったんですが、地元の玉生とか足利とか日光とか喜連川とが出てきて萌え萌えでした。やっぱり全体にゆるい感じがして忍者ものというより、人情もののテイストがすこし残念でした。。
2014/11/24
ゆみねこ
芭蕉の旅の目的は、密命を帯びていたと言う視点で描かれたミステリー。柳沢吉保と水戸徳川家と神道家のせめぎ合い。芭蕉の動きを探る目的で弟子となった曾良が、本物の弟子へと変わって行く姿が良かった。梅丸可愛い!
2014/06/19
ぶんこ
権謀術数がはびこる世界に、俳句の世界が相入れるものなのでしょうか? 江戸時代の物語にはよくある題材で、少々うんざりしました。 芭蕉翁も同じのようで、のんびり俳諧の旅をしたかったようです。 最後の最後に路通さんが意外すぎる正体を晒し、ずっこけました。 いったいこの物語は何だったのか? ところで感想の多くに「そーご」とひらがなで呼びかける事への言及があり、まったく気にしてなかったので、思わず読み直してしまいました。、気にするほどかな? 私には気にもなりませんでした。
2015/06/07
マムみかん(*感想記入少なめです*)
松尾芭蕉の『おくのほそ道』紀行の裏には、5代将軍・徳川綱吉と水戸の徳川光圀のいがみ合いから生まれた「密命」があった。 綱吉の側用人・柳沢出羽守から「伊達謀反の証」を探るよう命じられた芭蕉を、光圀配下の「彰考館」の間者が付け狙う…。 弟子の曾良は、中庸を貫く幕府神道方からボディガードとして派遣されますが、いつの間にやら人タラシの芭蕉にメロメロ。 最後のアノ人の行動も、芭蕉ラブ!…からでしょうし(笑)。 政の駆け引きの道具にされるのは、自然や心の穏やかな襞を愛する芭蕉には酷ですよね☆
2012/05/13
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