先生のお庭番
先生のお庭番 / 感想・レビュー
ナイスネイチャ
図書館本。長崎出島でシーボルトのお庭番となった熊吉が主人公の話。実直な熊吉が先生シーボルトに認められる様がスカッとしましたね。シーボルト事件(船が座礁)がなければ日本の歴史はどうなっていたのでしょうか?想像掻き立てられた作品でした。
2015/09/26
m-yattam
熊吉は本当に存在していたのですね! 押し花がネット上に出ており驚きました。半年以上も舟の上で植物が生き続けていた・・・。それを理解した上で再読すると、こんなにも熱く、必死になれた彼が羨ましく思えてくる。日本の花が海外で根付くのは簡単ではない。技術を上回る想いが必要。日本人であることに、誇りを感じる一冊でした。
2012/08/25
いつでも母さん
【再読】だった~でも、まかてさんの作品はやっぱり好いなぁ。「剣より、花を」今日と言う日に再読出来てこの言葉を嚙み締めたい。
2019/08/09
藤枝梅安
「先生」とはシーボルトのこと。長崎の植木屋・京屋の熊吉は、店の他の者が嫌がる出島のシーボルト邸への通い仕事を押し付けられる。蘭語があまりうまくない「先生」と「奥方」のお滝、黒人の使用人「おるそん」との交流の中で、丁寧に土と草木とに向き合う熊吉の仕事ぶりが認められ、「先生」に雇われて住み込むようになる。熊吉は日本の植物をオランダに運ぶために工夫を続ける。功罪両面を持つシーボルトの姿が熊吉の眼を通して語られる。数十年後、京都の植木屋に認められ養子に入った熊吉と先生の娘・イネが再会するところで物語が終わる。
2014/02/04
文庫フリーク@灯れ松明の火
「十五の我には見えざりし弓のゆがみと矢のゆがみ。二十の我のこの目には、なんなく見える不思議さよ・・。歯噛みし、迷い、うち震え、暗い夜道を歩きをる、あの日の我に会えるなら、五年の月日の不思議さを十五の我に語りたや・・」上橋菜穗子さん作品中の詩が自然と浮かびました。終章、シーボルトとお滝の娘・以祢(イネ)のもたらした書物『ふろら・やぽにか』の花々に見入る四郎兵衛‐熊吉が上記の詩を読んだなら・・シーボルト事件やシーボルト自身がどうあれ「私は、先生のお庭番でしたけん」そう言い切る熊吉ならば、悪戦苦闘し、→続く
2013/02/26
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