日輪にあらず 軍師黒田官兵衛
日輪にあらず 軍師黒田官兵衛 / 感想・レビュー
いくら
黒田官兵衛の生涯を何度辿っただろう。やはり荒木村重の謀反の際、有岡城に単身説得に赴き1年近く幽閉されたところ、松寿丸の運命、そして竹中半兵衛の・・・・・・・。何度読んでも心を動かされる。司馬遼太郎の『播磨灘物語』と『関ヶ原』で描かれる官兵衛が一番好きですが、この作品では賤ヶ岳の戦い後の秀吉との溝が生じてから九州攻め、明への侵攻の期間も丁寧に描かれていて、新たな情報が補完されました。その代わり関ヶ原以降が駆け足でしたが。
2013/02/16
ソババッケ
黒田官兵衛の半生を描いた大作。どうも官兵衛は戦は大将の心理戦とみなしていたようだ。それが官兵衛を軍師ならしめた所以かもしれない。心理を読むに長けた官兵衛のこと、主と仰ぐ秀吉についても、常に警戒を怠らない。秀吉の天下取りの過程が進んでいくにつれての心変わりも読みとり、ある距離をおいていく。秀吉自身も官兵衛を不気味な存在と思っていたのかもしれない。文中にもあるように、関ヶ原の決着がわずか1日ではなく、数年を費やすことになっていたらと想像するだけで楽しい。裏切られ続けのNHK大河にも期待。★3.5
2012/11/27
kiki
軍師としての活躍にスポットが当てられ、優秀な策士としての官兵衛が存分に味わえました。高松での毛利との和睦、中国大返し、山崎の合戦等詳しく語られている本書は読みごたえがあります。・・・天下人が持つ日輪は信長の輝きが強く、秀吉は信長を写した鏡でしか無かったのか。官兵衛が軍師として仕えた立場から両者を冷静に分析し、表現されています。秀吉は人徳を重んじて大成したが、権力を持ち、それにとりつかれて落ちて行った。信長の天下統一の真意を秀吉に理解させて導けなかった官兵衛の無念を感じました。
2013/12/26
かえる
面白かった。とひと言で済ませていいのかどうか。信長の光輝というのはすさまじいものだったのだなぁと今更ながら思う。信長が居なければ秀吉も出てこず、黒田官兵衛も歴史に残らなかったのだから。次は竹中半兵衛の話が読んでみたいな。
2013/03/01
カツ
★★★ 何冊目かの黒田官兵衛物です。なかなか視点が面白いと言うか、これまでと違った史実に注視しての展開は良いですね。終わり方がちょっと速足すぎたような・・・。関ヶ原前後の官兵衛の心中も表して欲しかったですね。
2013/02/10
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