王と夜啼鳥(ナイチンゲール) ~FLESH & BLOOD外伝~
王と夜啼鳥(ナイチンゲール) ~FLESH & BLOOD外伝~ / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
フランス使節をもてなす晩餐会。歓迎の踊りを披露する「王立剣技学校選抜」の一員として、一心に踊るレオと、大いに不本意な顔で、貴婦人をリードして踊るビセンテを見たかったが・・野暮は言うまい。選抜審査後、本来謁見を許される身ではないレオを直接労う、と口にするフェリペ二世。「勝って会うのと、負けて会うのではどちらがよい」王の言葉に奮い立つレオの顔が見えるよう。「慎重」「陰険」「残忍」と伝えられるフェリペ二世。王がカイト一人に語る夜啼鳥(ナイチンゲール)の話は哀歌であり、愛歌にも聞こえる。「私の夜啼鳥」と王に→
2014/08/30
扉のこちら側
初読。スペインの王宮でのひと夏。本編がアルマダの戦い直前なので、読むまでは外伝より本編を出してほしいと思っていたが、よい作品だった。フェリペ2世が好きになった。
2012/11/03
カナン
本編で描き切れなかった西班牙編外伝。本編が辛くて此方を先に読んだのに、涙腺が弛んで弛んで仕方ない。不眠の王に語り続けた寝物語。レオとビセンテを連れて、アロンソの協力で開始した舞踏。二人だけの秘密としてビセンテと齧ったトマトの味。王の静かなる慟哭。でも海斗は知っている。アルマダ戦争で西班牙が敗れることを。孤独な王が膝をつくことを。輝く笑顔で迎えてくれたアロンソが戦死することを。ビセンテやレオが戦火から逃れられないことを。歴史のためにその事実を伝えられないことを。優しくされるほど、泣きたくなる、穏やかな日々。
2018/11/10
那義乱丸
いいお話だった。物語はスペインに捕らわれている頃のエピソードで、カイトの心情が切ない。ビセンテの人柄を知り優しさに触れ嫌悪感が和らいでいきながらもジェフリーを強く求める心は揺るぐことなく…。スペイン、イングランド両チームが自然な形で登場する構成が素晴らしい。またこのお話ではフェリペ二世の人柄も伝わってきて本編の今後の展開を思うと辛くなってくる。ラストのカイトの祈りはそのまま私の祈りでもあり涙が滲んだ。どうかみんな無事に生き延びて欲しい。彩さんの美しい絵が大きめサイズで見られて眼福。本棚に飾るv
2012/11/24
ふかborn
借本☆ビバ エスパーニャ。千夜一夜を下書きに16世紀のスペインでの夏。うっかりするとキャラクタを追いがちになりますが、真の主役はフェリペ二世ですね。序盤「王宮」の曇天からの降雨は、フェリペ二世の孤独と閉塞を表し、中盤では寵臣のアロンソ、ビセンテ、従者のレオが絡んで、サブタイトル通り くるくる愉快な「舞踏」のおもむき。終盤「曙光」で、シェエラザードよろしく海斗がスペイン王の不眠を慰める為と言いつつ徹夜しちゃったのは不敬ですが、フェリペ二世の心情の吐露を描写するには必要な夜明け場面なので仕方ないですね。
2014/09/18
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