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人魚姫 探偵グリムの手稿

人魚姫 探偵グリムの手稿

人魚姫 探偵グリムの手稿

作家
北山猛邦
出版社
徳間書店
発売日
2013-03-27
ISBN
9784198635725
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人魚姫 探偵グリムの手稿 / 感想・レビュー

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へくとぱすかる

メルヘンの世界と、現実の世界史とのリンクが奇跡的。輪をつなぐ人物がグリム(ただし末弟)とアンデルセン(少年の)である、というのも絶妙な配剤だと思う。まだポオがミステリを書いていない時代だから、探偵という言葉を持ち出す理由がちょっと苦しそう。でもうまくクリアした感じ。何よりもミステリである。トリックがいい。ラストはストーリー的に究極の選択。この解決法には脱帽。二者択一しかないところに第3の道を開くようなもの。うなります。

2018/01/29

ひめありす@灯れ松明の火

心の優しい人魚姫は泡にならず、天使に導かれて天の国へと登っていくのでした。そんな甘く薄っぺらいハッピーエンドになるのなら、人魚姫は魔女と契約しなかった。ダンスをする度にナイフで突き刺されるような足の痛みも、音にならぬ美しい声も波間に揺れる幻想で。泡沫の夢と消えていく。欲しかったのは真実。貴方は私を愛してくれるのか。私はあなたの目に留まるのか。その天秤に、夢見がちの末娘は己の命と国の名誉を掛ける。リアリストで秘匿家のグリム、ロマンチストで疑い深いアンデルセン、心臓のない人魚姫のセレナ。惑いの調べを、貴女に。

2013/10/09

ダイ@2019.11.2~一時休止

グリム童話を元にしたSFかと思いきや、やっぱり北山さんらしい物理トリックで面白かった。こういうタイプでもシリーズ化できないかな?

2014/02/27

カナン

「君はまだ、手を伸ばせば月に手が届くだろう?」。久々の北山氏ですが、非常に惜しい。人魚姫をベースにしたファンタジーとミステリーの融合作品。若きグリムと少年アンデルセンが追うのは、人魚姫が泡となって消えた二日後に密室で殺されたという王子の謎。捧げられた人魚の心臓、魔女の十三番目の肋骨、北欧とウィーン体制と戦いの神オーディン。ディテールへの拘りは感じられるのに、同時にご都合主義が目立つ。成長物語ではあるので小中学生の読書感想文には良さそうという印象。交錯した世界が分離する夜明け、少年と少女は互い、手を伸ばす。

2019/08/14

くろり - しろくろりちよ

アンデルセン童話にして『人魚姫』の探偵「グリム」の手稿。末娘の想い人である王子の殺人事件、泡と消えたはずの末妹への疑惑を晴らすため再び人魚は人となり、同じ時代に生きたアンデルセンとグリムの邂逅し、「物語の終わりの続き」が始まる。魔女の思惑、人魚姫のより深い想い、現実のグリムとアンデルセンへと還元される寓話の寓話。「もしも御伽噺に続きがあるとすれば…」そう考えたことがある者を寓話の境目に誘うような物語。

2013/12/20

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