天皇の刺客
天皇の刺客 / 感想・レビュー
けい
幕末として多く描かれている時代の少し前、徳川幕府の権威が完全に失墜してはいないが、その片鱗が見えてきた時代。その後の動乱のきっかけを作るべく暗躍した志高き人々と幕府から命を受け時代の流れに押されながらあくまで時代を守ろうとする幕府隠密達との戦いをスリリングに描いています。時代設定も面白く、キャラクターも個性派揃いで小説として純粋に楽しめました。(事実関係はどうでしょう?)少し長い分集中力が持たない部分も正直ありました。
2013/07/27
Gummo
時は光格天皇の御世。明治維新より70年前の京都を舞台に繰り広げられる、公家庶子vs隠密(小人目付)の血で血を洗う凄まじい抗争劇を描く。尊王思想を助長する『日本書紀』は幕府にとって禁書にも等しく、これを刊行する本屋とその版木は、隠密の手により密かに火を付け闇に葬られていた。これに対抗して、公家庶子らを中心とするグループが地下出版を企て、隠密を翻弄していく様子が痛快。作者の肩入れ度が違うのか、可哀想なほど隠密たちが弱すぎるが(笑)、『図書館戦争』を想起させるテーマも面白く、スリリングな展開が楽しめる作品。
2013/06/16
オレンジ。
単行本で600Pあって、かなり読みごたえがあった。土御門家や神灯目付役などの懐かしい言葉もきけて、ああ、懐かしい澤田さんだと思った。ただ、少し盛り上がりに欠け、内容もさほど盛り込まれていなくて、私的には残念だった。
2015/05/19
aloha0307
日経の書評で最高五つ★満点だったので読んでみた。 明治維新より数十年ほど前の幕府と朝廷のせめぎ合い....期待が高まった。 しかし、文章がいささか冗長、主役が誰かがはっきりしない(頼助だったの?)等々...なんだか物語に入り込めなかった。 何がしかの説明が文中に織り込まれるのだが、本筋とそんなに関係ないものが大半 だ。 これで、600頁超は正直キツイ... 日経のこの評者は満点を多く出すので、今後は要注意だなぁ...
2013/10/20
あかんべ
公家侍って元々好きではなかったが、やっぱり好きになれない。簡単に千両用立ててくれなんて、どんぶり勘定で依頼するわ、そのお金を廓で大盤振る舞いする。隠し目付け達を虎の威を借る狐と称すが自分たちはどうよ。内容と、量と字の細かさで苦労しました。
2013/06/07
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