うたかたエマノン (文芸書)
うたかたエマノン (文芸書) / 感想・レビュー
いちろく
地球に生命が誕生してから現在までの全てを記憶している女性エマノンのシリーズ6巻目。シリーズ初の長編に加え、19世紀後半のマルティニーク島に画家ポール・ゴーギャンと記者ラフカディオ・ハーンが同時滞在した史実が元になっているらしく、史実の人物も登場する。その影響なのか、これまでの久遠の記憶を受け継ぐ業という描かれ方よりも、歴史の中のピースとして固定された印象がした。前作までの歴史の表舞台に立たず、多くの名もなき人々の日常の中で、時の流れを感じさせてくれるSF展開の方が好きだな。あくまで私の好みの問題。
2018/06/22
Tadashi_N
長編になっても、世界は変わらなかった。八雲とゴーギャンは、実際に島にいたらしい。
2018/06/21
booklight
エマノンシリーズの初の長編。シリーズは初めて読むのですが、なるほど、このシリーズは短編向きなのがよく分かった。SF小説であり、エマノンが魅力で引っ張ろうとするが、鶴田謙二の絵が最大の魅力かな。短編や漫画のほうが気になってきた。
2022/08/27
くみ
今回は1884年のマルティーニ島が舞台。実在した人物ゴーギャンやラフカディオハーンに島の少年ジャンは、するりと抜けたエマノンの記憶を探す山への旅に相伴する。物語の土台に流れるのはゆったりしたおおらかさ。ジャンの上司レオポルド・アルヌー、売り子のアム・ロベール、みんなお互いが支え合う。それがとても自然で押し付けがましさがない。そんな雰囲気の中、エマノンがタバコを覚えるシーンは彼女の重荷が本当に降りるかのようだった。エマノンにこんな記憶が残るのはとても嬉しい。読んでいてあたたかな抱擁感を感じた。
2018/07/14
白い駄洒落王
ゴーギャンや小泉八雲も登場。久々のエマノン楽しめました。難点はSF度が低めなところくらい。
2013/12/30
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